法人決算とは?決算の流れや提出書類、決算での税理士の役割も解説!のサムネイル画像

法人決算とは?決算の流れや提出書類、決算での税理士の役割も解説!

起業をしたら、必ず行わなければならない「決算」。決算は会社経営において非常に重要ですが、決算の目的や流れ、決算は税理士に依頼すべきかなど、わからないことが多いですよね。ここでは、決算とは何かや決算の流れ、必要書類、税理士に依頼するメリットについても解説します。

公開日 : 2021/01/23

更新日 : 2021/01/23

目次

決算についてよくある疑問を解決!

そもそも決算とは、企業の1年間の収益と費用を計算し、利益やq損失をまとめた数字を決算書として確定させる行為のことです。決算によって、企業の財務状態や経営成績を把握することができます。

 

ここでは、決算においてよくある疑問について事例をふまえて解決をしていきたいと思います。

起業をして決算に不安を抱えているAさん

Aさんは長年、勤務をした会社から事業を一部だけ引き継ぐ形で独立をして、初年度は引き継ぐ資産があり、細かい処理が必要であるため、決算処理が心配です。

 

税理士は今のところはつけておらず、顧問税理士を付けるかも悩んでいます。期中であるため途中から顧問をお願いできるか疑問に思っているようです。

 

結論から言うと、決算期の途中で税理士を付けても実務的には問題はありません。もちろん途中で税理士を変更する場合でも問題はありません。前の月までの試算表と総勘定元帳を提供すれば引継ぎすることができます。一度税理士に相談することをおすすめします。

決算は税理士に依頼すべき?

決算は、税理士に依頼をするべきなのでしょうか。ここでは、税理士の必要性について説明をしていきます。

税理士への依頼は期中からでも問題ない

結論からいうと、税理士は付けた方がメリットがあります。決算期の途中でも実務的には問題なく期首からでなく期中であっても切り替えが可能で、前月までの試算表と総勘定元帳を提供すれば引継ぎは可能です。

法人決算とは?

法人決算とは、どのような役割を持っているのでしょうか。ここでは、法人決算について深く掘り下げて説明をしていきます。

法人決算の目的

法人決算は、企業の収入と支出を1年ごとに計算し、利益と損益を産出したものを決算書としてまとめます。「税務申告及び納税のため」「株主への報告のため」「経営陣と社員に法人の成果を共有し、経営の分析と改善に活かすため」の3つの主な目的があるものです。

 

税務申告と納税に関しては、期末日から2か月以内が締め切りとなるため、その締め切りに間に合うよう余裕を持って法人決算を行うようにしましょう。

法人決算の期限

法人税の申告期限は決算日の2か月ごと一般的には定められています。会社の事業年度の開始と終了日は自由に設定が可能で、会社の定款で定めます、。決算日の2か月後の日が、土曜、日曜、祝日など税務署の閉庁日である場合は、次の開庁日が申告期限です。

 

申告書を提出する場合は、貸借対照表、損益計算書、株主資本変動計画書、勘定科目内訳明細書、事業概況書などを添付します。

法人決算をしなかった場合

法人決算をせずに、税金の申告もしなかった場合は、税務署から問い合わせが来ます。それでも決算、申告をしないと税務調査が行われることとなってしまいます。税務調査が行われると、ペナルティの税金が掛かってくる可能性があるため、法人決算や税金の申告は必須となってきます。

法人決算の必要書類とは?

法人決算において必要な書類は、大きく分けて9種類となっています。これらは税金の申告に用いるほか、税務調査の際にも必要な書類となるためかならず作成しましょう。

総勘定元帳

総勘定元帳とは、全ての取引や経理処理が科目ごとに記録されている元帳であり、作成かもしくは、7年間の保存が義務付けられています。総勘定元帳刃税務調査で必ずチェックされるので、しっかりと記帳するようにしましょう。

領収書綴り

領収書の綴りとは、経費の領収書などを日付順に綴ったもので、後々の領収書確認時にとても重宝するものです。こちらも作成もしくは7年間の保存が義務付けられているので、税務調査で必ずチェックされるので注意しましょう。

決算報告書

決算報告書とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書などの書類で、法人税申告書に添付する必要があるものです。銀行融資を受ける場合にも求められるので、融資を受ける予定がある方はとくに注意しましょう。

勘定科目明細書(科目明細書)

勘定科目明細書とは、主要な勘定科目ごとの収支の詳細を記載したもので、日頃から帳簿をつけておかないと、決算でこの書類を作成する際に大きな手間と時間が掛かってしまいます。帳簿はできる限り普段からつけておきましょう

法人事業概況説明書(事業概況書)

法人事業概況説明書とは、事業内容、従業員数、取引状況、経理状況などを所定の書式に従って記載するものです。申告書と共に税務署への提出が義務付けられているので忘れないようにしましょう。

法人税申告書

法人税務署とは「別表一から始まる税務計算書類」「勘定科目明細書」「決算申告書」をまとめたもので、最低でも20ページ以上の厚さとなっています。

消費税申告書

消費税申告書とは、消費税及び地方消費税の申告をする際に使用する書類で、計算内訳の付表を添付する必要性があります。

地方税申告書

地方税申告書とは、住民法人税と法人事業税の申告書のことです。この書類は各都道府県に提出するもので、事務所や店舗が何店舗もある場合は分割申告が必要です。

税務代理権限証書

税務代理権限証書とは、税理士が税務調査立会い、申告書提出、問い合わせ対応などを税理士が代行する旨を記載した書類のことです。この書類は税理士のみ作れる書類なので注意するようにしましょう。

法人決算の流れとは?

法人決算は大きく分けると6つに分類されてます。ここでは法人決算の流れについて詳しく説明をしていきます。

①今年度の取引を記帳する

まず行うべきなのは、当年分の記帳を完了させることです。通帳や領収書、請求書、オンラインバンキングの明細などの情報や書類を用意して、記帳内容に不備がないか確認しながら入力するようにしましょう。

②決済整理事項を確認する

決算時に確認する項目が非常に多くあるため、余裕を持って取り掛かるようにしましょう。決算仕訳の入力・確認についてまとめておきますので、参考にしてください。

 

・売上原価の確定

・固定資産の減価償却

・為替換算項目の処理

・経過勘定の確認

・貸倒懸念債権の確認

・貸倒引当金の計算

③決算整理仕分けを行う

書類の確認、資産・負債の実査を終えると「決算整理仕訳」を行います。決算整理仕訳とは、年度をまたぐお金を今期の分と来期の分に切り分ける仕訳のことです。

 

代表的な仕訳の対象として「減価償却費」「各種引当金」「経過勘定」「売上原価」「有価証券」などがあります。

④決算書を作成する

決算書は別名「経営者の通知表」とも呼ばれており、会社の経営状況を表す重要書類となっています。下記では必要な書類について説明を致します。

 

・損益計算書

会計期間にどれだけ利益を上げたのかを表しているもの

 

・貸借対照表

決算日時点での資産、負債、純資産などの状態を表したものです。

 

・株主資本等変動計算書

会計期間に純資産がどれだけへんどうしたかを株主資本、評価・換算差額、新株予約券、非支配株主持分の4つに分類したもの

 

・個別注記表

各計算書類に記載されていた注記を1つの書面に表した計算書類

 

・計算書類に係る附属明細書

損益計算書、貸借対照表、株主資本等変動計算書もしくは個別注記表の内容を補足する重要な事項を表示するための書類

 

・事業報告に係る附属明細書

事業報告書を補足する重要な事項をまとめた書類

 

・事業報告書

事業の内容、株主の状況、従業員の状況など、事業全般に係る報告書

⑤取締役会・株主総会で承認を得る

決算書は作成して終わりというわけではありません。決算の内容は取締役会・株主総会で承認されてはじめて確定します。会社法でも定められている非常に大切な事項ですので忘れないようにしましょう。

 

上記でも説明しましたが、法人決算の期日が「事業年度の翌日から2か月以内」ということです。それぞれの会を招集し承認を得るための機関であると考えると、できる限り時間は掛けられないことが分かってきます。

 

また、決算の期日は初めての決算だからといって待ってはくれません。起業当初は何かと忙しいですが、初年度が終わったらすぐに決算業務へ取り掛かれるよう準備をしておきましょう。

⑥申告書の作成と提出

申告に必要な税金は、「法人税」「消費税」「法人事業税」「法人住民税」の4種類に分類されています。それぞれ提出書類、申告期限、申告先を箇条書きでまとめる必要があります。提出書類は会社の状況や課税方式によって変わる可能性があるので、不安な場合は税理士に相談しましょう。

 

法人税の提出書類は、別表全20種類、申告期限は決算日から2か月以内、申告先は管轄の税務署となっています。

 

消費税の提出書類は、消費税の確定申告書、付表2、消費税の還付申告に関する明細書、付表5(課税方式によって異なる)。申告期限は決算日から2か月以内、申告先は管轄の税務署です。

 

法人事業税の提出書類は、事業税申告書、貸借対照表、損益計算書です。申告期限は決算日から2か月以内、申告先は都道府県の税務事務所

 

法人住民税の提出書類は、住民市民税の申告書、法人税額の計算書、課税標準の分割に関する明細書(地方自治体によって異なる)。申告期限は決算日から2か月以内、申告先は都道府県の税務事務所です。

⑦税務署等に提出して納税する

作成した決算書と法人税申告書を、それぞれの提出先に提出納税をします。所轄税務署や都道府県の税事務所など、税金によっては提出先が違ってくるので事前に確認をするようにしましょう。申告書の提出期限と各税金の納付期限は、期末日から2か月以内です。

 

税務申告が終わっても、決算書などには保存が義務付けられており、最低保存年数が定められています。しっかりと確認をして、必ず保存しておきましょう。

法人決算を税理士に依頼するメリットとは?

法人決算をする場合に税理士へ依頼するメリットとは、どのような物があるのでしょうか。詳しく解説をしていきます。

自分で法人決算をするのは困難

法人決算をする場合は、さまざまな書類を期限以内に作成しなければいけないため、本業がとても忙しい経営者の方は一人で行うのは難しいといえます。

 

税理士に依頼をすることで書類作成にかかる時間を短縮して、かつミスのない決算と申告を行うようにしましょう。本業に専念することはもちろん、税理士依頼にかかる費用以上にプラスとなってくれるはずです。

決算でのミスや申告漏れを防ぐ

忙しい法人活動をしながら決算を行うと、申告内容にミスが出てしまうケースが非常に多くあります。ミスがある場合は、再度の修正が必要となり、最悪の場合は税務調査の対象となる可能性も出てきてしまいます。

 

さらに、税務申告の期限を一日でも過ぎると期限後申告の扱いとなり、延滞税や加算税を課されてしまうため、税理士に依頼してミスを防ぐ方が得策といえます。

決算だけの依頼であれば費用を抑えられる

利益が安定している企業の場合は、顧問税理士を雇って決算から申告までを依頼しているケースが一般的です。起業をしたばかりで売り上げが安定していない場合は顧問契約を結ぶのは難しいかもしれません。

 

しかし、決算のみを税理士に依頼する場合は費用を大幅に抑えることが可能です。税理士と顧問契約を結ぶ場合の相場は、毎月約3万円、年間で約36万円が平均的で決算申告については約10万円となっています。

 

決算のみの依頼の場合は、約15万円~25まんえんなので 、利益が安定するまでは決算のみの依頼がおすすめです。

税理士と顧問契約を結ぶメリット

決算のみを依頼したい場合は、その都度税理士に依頼しても問題はないのですが、もっと手厚い援助を税理士に頼みたい場合は、税理士と顧問契約を結ぶのも一つの手です。

 

顧問料がかかり依頼料も上がってしまいますが、決算のみの依頼をするときは違ったメリットを享受できます。代表的なメリットとしては、「効果的に節税対策を行える」「融資を受ける際にアドバイスをもらえる」の2つが挙げられます。

決算に関する過去の事例をご紹介!

ここでは決算に関する過去の事例について紹介をしていきます。

決算最終月で損益が大きく変わってしまう会社

毎年決算を終えてみないと、利益が確定せず納税額もいくらになるかわかりません。数か月先の損益が予測できるような経理処理を行うためにはどうすれば良いかという事例がありました。

 

この場合は、「毎月の減価償却を資産取得のたびに計算をしなおす等の基本的処理を徹底」「引当金勘定の利用」「仮払金、立替金、仮受金、預り金といった、どのような取引によって発生したのか不明な科目の金額について、取引の内容が分かるような適正な科目への振替」を提案をしました。

 

これにより、借入金の繰り上げ返済や賞与支給額の計画が立てやすくなり、少しづつですが債務が減り自己資本比率が上がってきたという事例があります。

決算の流れを理解してしっかり決算を行おう!

この記事では、決算の流れについて詳しく解説をしてきました。決算の流れを理解しているのとしていないのでは、決算に大きな違いが出てきます。もし自身で行うことが難しいということであれば、迷うことはなく税理士に依頼をするようにしましょう。

LPバナーLPバナー