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ガソリン代の勘定科目はどれ?業種ごとに考えうる勘定科目を紹介!

勘定科目とは会社の取引の性質をわかりやすく記録するための分類の仕方の総称になります。この勘定科目は法律で決まっていないため、どれで仕訳するべきなのか迷う費用も存在します。今回は迷う費用の代表例であるガソリン代の勘定科目について紹介していきます!

公開日 : 2021/02/15

更新日 : 2021/02/15

目次

ガソリン代の勘定科目の事例をチェック!

勘定科目は、会社の取引などを帳簿に記載するときの項目のこと。記帳は、会社のお金の流れを把握し、正しく決算申告や納税を行うために欠かせない業務です。また、記帳を正確に行うには、勘定科目の知識が必要です。

ガソリン代はどの勘定科目で仕訳する?

Aさんは運送業を営んでいます。運送業を行う上で避けられない出費がガソリン代。ガソリン代は一般的に「車両費」「旅費交通費」「消耗品費」「燃料費」のどれかの勘定科目で仕訳することになっています。しかし、Aさんは運送業を始めたばかりで、具体的にガソリン代をどの勘定科目で仕訳すればよいのか、判断がつかずに困っています。

ガソリン代の勘定科目はどうするべき?

Aさんも迷っているように、ガソリン代は勘定科目の仕訳に迷う項目です。なぜなら前述のように、ガソリン代は「車両費」「旅費交通費」「消耗品費」「燃料費」で仕訳しますが、どの勘定科目で仕訳すべきかは決まっていないからです。

 

ガソリン代をどの勘定科目で仕訳するかは、会社の業種や状況によって異なります。言い換えれば、ガソリン代は会社にとって最適な勘定科目で仕訳できるもの、ということでもあります。

業種によってガソリン代の勘定科目は異なる!

ガソリン代の勘定科目は会社の業種や形態によって自由に決めることができます。どの勘定科目で仕訳するかによってメリットとデメリットが異なります。運送業ならば、ガソリン代は「燃料費」として仕訳するのが一般的です。なぜなら、旅費交通費で仕訳することで、ガソリン代と、その他の車両費用を分けて管理しやすくなるからです。

そもそも勘定科目とは?

ガソリン代の勘定科目の仕訳について詳しく見ていく前に、まずは、勘定科目とは何かということについて触れておきましょう。会社の経理を行う上で、勘定科目についての知識を持つことは非常に大切です。

勘定科目とは

勘定科目とは、簡単に言えば、お金や取引内容を分かりやすく分類して記録するために使われるものです。あるいは、会社に出入りしたお金の「見出し」のようなもの、とも表現されます。勘定科目の役割は、取引の内容を誰が見ても一目で理解できるようにするものです。

勘定科目の必要性

前述のように、勘定科目を用いて記帳をするのは、会社に出入りしたお金について、一目で分かるようにするためです。たとえば会社の経営陣や株主が勘定科目を見れば、いまの会社の業績や経費を一目で把握できます。会社のお金の流れを知ることで、今後の経営戦略を立てやすくなるでしょう。

勘定科目の設定方法

勘定科目は法律で決まっているものではなく会社や経理担当者が自由に設定できます。ただし、勘定科目は会社のお金について分かりやすくまとめるためのものですので、大雑把に設定すると、かえって収支状況が把握しにくくなります。そのため、勘定科目は、世間に広く浸透しているものを利用して仕訳するのが一般的です。

主な勘定科目

勘定科目はたくさん種類がありますが、それらを大まかに分類すると、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5つのグループに分けることができます。これらは、決算の時に必要となる「貸借対照表」と「損益計算書」という2つの書類を作成するために必要なグループ分けです。

 

貸借対照表とは、会社の財務状態を表した書類です。たとえば会社が有する「資産」のほか、「負債」も記載します。あわせて、資産から負債を差し引いた「純資産」についても記載が必要です。会社の資産と負債のバランスを表した書類であるため「Balance Seat」、略して「B/S」とも呼ばれます。

 

一方、損益計算書は、会社の損益計算を行った計算書です。一定期間の会社の収益・費用・利益などを記載します。そのため、一目で会社の業績を把握することができます。損益計算書は「Profit & Loss statement」、略して「P/L」とも呼ばれます。

仕訳の分類「資産」

資産に分類されるのは、会社が所有している財産です。具体的な勘定科目には「現金」「商品」「土地」「建物」「権利」などがあります。また、手形のほか、立替金や未収金といった流動資産も資産の勘定科目です。

 

建物に代表される固定資産には、ほかに土地、車両運搬具、機械装置なども含まれます。また特許権や施設利用券なども、無形固定資産として、資産の勘定科目に区分されています。

 

仕訳の分類「負債」

負債のグループに分類されるのは、会社が有しているマイナスの資産です。たとえば買掛金や借入金など、返済の義務があるものが挙げられます。負債の中でも、買掛金や支払手形は「仕入れ債務」いうグループに分類されます。

 

返却期間が1年以内であるものは「流動負債」とも呼ばれます。流動負債にはほかに、未払い金や預かり金などが含まれます。対して、返却期間が1年以上あるものを「固定負債」と呼びます。たとえば借入金や退職給付引当金などがあります。

仕訳の分類「純資産」

純資産とは、資産から負債を引いた財産のことです。純資産の代表的なものとしては、資本金や元入れ金などがあります。ほかにも、資本準備金や資本余剰金、事業主貸または事業主借なども、純資産に分類されます。

 

純資産とは事業の元手となる財産であるため、「正味財産」や「自己資本」とも呼ばれます。純資産がマイナスの状態とは、債務超過の状態といえます。そのため、純資産がマイナスになると倒産のリスクが高まります

仕訳の分類「収益」

収益に分類されるのは、商品の売買やサービス提供などにより、会社が獲得した収入です。収益の代表的な勘定科目は売上です。そのほかにも、売上手数料や受取利息、有価証券評価益、雑収入なども、収益の勘定科目に含まれます。

 

とくに雑収入は、会社の事業以外で得た収入を仕分けする勘定科目です。たとえば補助金や奨励金など、他の勘定科目に分類できない項目を仕分けする際に利用します。

仕訳の分類「費用」

費用に分類されるのは、仕入高や外注費など、事業活動で支払った費用です。簡単に言えば「経費」であり、「事業が収益を得るために払った対価」だと考えておくとよいでしょう。費用の中でも売上原価というグループに分類されるのは、仕入れ高や期首期末の商品棚卸高などの勘定科目があります。

 

また、費用には交際費や会議費、福利厚生費、水道光熱費、事務用品費など、こまごまとした経費の勘定科目も含まれます。本記事で問題になっているガソリン代についても、「費用」というグループの勘定科目の中で仕訳を行います。

ガソリン代はどの勘定科目になる?

ここからは、いよいよ、ガソリン代の勘定科目について具体的に見ていきましょう。勘定科目は自由に設定できることは、先にも触れました。勘定科目ごとにメリットやデメリットが異なるため、会社の業種などに合わせた勘定科目で仕訳をする必要があります。

「車両費」「旅費交通費」「消耗品費」のいずれか

ガソリン代をどの勘定科目で仕訳するのかは自由ですが、一般的には「車両費」「旅費交通費」「消耗品費」「燃料費」のいずれかで仕訳します。どの勘定科目で仕訳すべきかは、会社の業種によって異なります。それぞれの勘定科目で仕訳するメリットとデメリットに触れながら、それぞれおすすめの業種を解説していきます。

「車両費」として仕訳するべき業種

「車両費」は、自社で所有・運用している車両にかかる費用に使われる勘定科目です。車両費でガソリン代を仕分けすると、車に関する費用の管理を一括で行えるというメリットがあります。

 

車両費の勘定科目でガソリン代を仕分けするのに向いているのは、車両の保有数がそこまで多くなく、さらに車の使用頻度がさほど高くない会社です。一般的には、ほとんど多くの会社が該当します。

 

ただし、車両をメインに使用する会社である場合、ガソリン代を車両費に分類するのは得策ではありません。なぜなら、運送業などの車の使用がメインとなる業種では、車両に関する費用はガソリン代以外にもたくさんあります。そのため、ガソリン代を車両費に分類すると、その他の車両費用と区別しにくくなるというデメリットがあるからです。

「旅費交通費」として仕訳するべき業種

旅費交通費は、業務上で発生した旅費の仕訳で使われる勘定科目です。そのため、自社の車両での移動がメインとなる業種の仕訳に向いています。ガソリン代を旅費交通費として仕訳すると、ガソリン代の金額から、社員の移動状況が把握しやすくなるからです。

 

社員の移動状況と個人の営業成績を照らし合わせれば、無駄な支出がないかなどの経費の見直しにもつながります。また、ガソリン代を旅費交通費で仕訳すると、その他の車両費用と区別して管理しやすくなるというメリットもあります。よって、車両費用が大きくなりがちな、運送業に向いている勘定科目です。

 

一方デメリットとして、出張が多い会社の場合、ガソリン代と交通費・宿泊費の見分けが難しくなるという点が挙げられます。もし公共交通機関を利用しての社員の移動が多い会社なら、ガソリン代を旅費交通費で仕訳するときには、区別して管理しやすくするような工夫が必要です。

「消耗品費」として仕訳するべき業種

消耗品費は、その名の通り、日常的に消耗するものに使われる勘定科目です。たとえば文具やコピー用紙、包装用紙などの事務用品のほか、蛍光灯など、実に多くのものが消耗品費の勘定科目で仕訳されています。

 

ガソリンの消費が極端に少ない会社なら、消耗品費として仕訳するのがおすすめです。他のものと一括して管理できるため、仕訳が簡単になるというメリットがあります。ただし、消耗品費はただでさえ額が大きくなりがちな勘定科目です。

 

そのため、ガソリン代がそれなりに発生する会社だと、消耗品費の金額がさらに大きくなります。そうすると、ガソリン代を管理しにくくなるなどのデメリットが発生します。消耗品費として仕訳するのは、あくまで、車の使用頻度が低い会社やガソリンの消費が少ない会社に向いています。

ガソリン代の勘定科目で注意すべき点

ガソリン代をどの勘定科目で仕訳するのかは、その会社の裁量に任されています。しかし、ガソリン代を仕分けする際には、一定のルールを守る必要があります。以下に、ガソリン代を仕分けするときの注意点について、代表的なものを3つご紹介します。

一度決めた勘定科目を変えない

さきにも触れたように、ガソリン代をどの勘定科目で仕訳するのかは自由です。大切なのは、一度決めた勘定科目を変更しないということです。たとえば最初に車両費として仕訳をした場合は、継続して車両費の勘定科目で仕訳し続けましょう。

 

勘定科目を変更してはいけない理由は主に2つあります。1つ目は、途中で勘定科目を変更すると、実際に支出したガソリン代の把握が難しくなり、経費を集計するときに、正しい財務分析ができなくなってしまうからです。

 

企業会計原則には、「継続性の原則」というルールがあります。そのため、途中で勘定科目を変更すると、財務諸表の期間比較性が損なわれてしまい、企業の財務内容に関する利害関係者の判断を誤らせてしまう恐れがあります。

ガソリン代と軽油代の違いに注意

車両の中にはガソリンではなく、軽油を燃料とする車もあります。どちらも燃料という点では同じですが、経費として仕訳する際には大きな違いがあります。ガソリンとの軽油との違いとは、税金です。

 

ガソリンを購入した時に購入者が支払う税金には「消費税」があります。一方、軽油の税金は「消費税」「軽油引取税」です。このうち軽油引取税は「租税公課」という勘定科目で仕訳しなければなりません。

 

軽油の支払額には、軽油引取税が含まれていますので、会計処理時には、軽油の消費税抜き本体価格、消費税額、軽油引取税のそれぞれの金額を把握して正しく処理する必要があります。

ガソリン代の勘定科目に困ったら税理士に相談

ガソリン代はどの勘定科目でも仕訳できるため、具体的にどれを利用すればよいのか迷う方も多いでしょう。もし判断に迷った場合は、税理士などの税の専門家に相談するのもおすすめです。

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