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自動車税の勘定科目は何が正しい?自動車税の仕訳処理まで紹介!

自動車税という税金をご存知でしょうか?自動車税は用途や総排気量によって税額が細かく分かれています。実は、仕事上で発生した自動車税を経費にすることができます!しかし、自動車税はどの勘定科目で処理するのが一般的なのでしょうか?今回は自動車税の勘定科目について紹介!

公開日 : 2021/02/14

更新日 : 2021/02/14

目次

自動車税の勘定科目についての事例をチェック!

車両を保有している会社は、「自動車税」という税金を納める義務があります。この自動車税は、じつは経費として計上することが可能です。

自動車税の勘定科目とは?

Aさんは起業したばかりの個人事業主です。仕事のために車両を使用しており、自動車税を納税しています。Aさんは、自動車税は経費として落とせることを知りました。さて、Aさんにとって初めての決算がやってきました。Aさんは自動車税を経費として計上しようと考えていますが、実際に自動車税をどのように処理すればよいのか知らないことに気づきました。

自動車税の勘定科目は租税公課?他の勘定科目?

Aさんのように、仕事で車両を使用している場合、自動車税は経費として計上することができます。経費として落とすためには、経理上、まず仕訳を行わなければなりません。それでは自動車税を経費として落とすには、どの勘定科目を用いるのが適当なのでしょうか。

一般的には「租税公課」として処理する

自動車税を仕分けする際には、「租税公課」という勘定科目を用いるのが一般的です。租税公課にはほかにも、「個人事業税」「印紙税」「消費税」「固定資産税」「利子税」などの多種多様な税金が含まれます。そのため、自動車税を租税公課として仕訳するときは、これらの税もまとめて処理する必要があります。

 

ただし、勘定科目の設定はある程度自由です。そのため、他の勘定科目で仕訳してもかまいません。業種などによっては、租税公課以外の勘定科目で自動車税を仕訳したほうが有利なこともあります。ここからは、自動車税を仕訳する際の勘定科目の考え方や選び方について見ていきましょう。

そもそも勘定科目とは?

まずは、勘定科目について解説します。勘定科目とは、会社の経理を行う上で欠かせない知識です。勘定科目の知識を持っておくことで、決算・確定申告や節税対策などが有利に運ぶこともあります。

勘定科目について

勘定科目とは、日々発生する会社の取引や、取引で動いたお金について記したものです。そのため「会社に出入りしたお金の見出し」とも呼ばれます。勘定科目という見出しを付けることで、そのお金が「いつ・なんのために・どう増減したか」ということが把握しやすくなります。

勘定科目の役割

勘定科目で仕訳を行うと、誰が帳簿を見ても、取引状況や内容を一目で把握することができます。つまり、今の会社の業績や財務状況を分析しやすくなるわけです。これが、勘定科目をつける大きな目的です。

 

会社の状態を正しく把握することは、今後の経営方針や戦略上、重要です。また、お金を分かりやすく整理しておくことで、決算や確定申告の際に経理の集計がしやすくなります。

勘定科目は厳格に定まっていない

勘定科目の使い方に厳格な決まりはありません。そのため、会社や経理担当者の裁量である程度自由に設定することができます。しかし自由に設定できるために、どの勘定科目で仕訳すればよいのか迷う項目も、実際には多々あります。もし勘定科目の選び方に迷ったときは、税理士などの専門家に相談するのもおすすめです。

勘定科目の5つの種類

勘定科目は、大きく「貸借科目」と「損益科目」の2種類に分かれます。これらはさらに、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」という5つのグループに分類できます。勘定科目によって、「貸借科目」「損益科目」のどちらに含まれるのかは決まっています。それぞれに含まれる項目について、ご紹介していきます。

貸借対照表に属する

賃貸科目は貸借対照表から成ります貸借対照表に分類されるのは、「資産」「純資産」「負債」の3つのグループです。「資産」のグループに分類される勘定科目には、たとえば現金や預金、受取手形などがあります。これらは会社にとってプラスの財産です。

 

一方、「負債」は会社が支払う義務のある資産、つまりマイナスの資産です。「負債」に含まれる勘定科目は、買掛金や未払い金、借入金などが代表的です。「純資産」は負債から資産を差し引いた資産です。つまり、現在会社が持参している実質的な財産を表しています。「純資産」の勘定科目には資本金や元入れ金などがあります。

 

「資産」「負債」「純資産」は、貸借対照表によって表します。そのため貸借対照表は、会社の財務状況を表した書類だということができます。

損益計算書に属する

損益科目は損益計算書によって表されます。損益計算書は会社の業績や収益力を表した計算書で、一定期間内における収益や費用の増減が示されています。損益計算書に属するのは「収益」と「費用」の2つのグループです。

 

「収益」とは、事業によって会社が得た利益のことです。具体的な勘定科目には、売り上げ、受取利息、受取配当金などがあります。一方「費用」とは、会社が事業を行うために支払った対価を表します。簡単にいえば、必要経費です。

 

費用にはたくさんの勘定科目があります。代表的なものは仕入高です。そのほかにも、外注費、役員報酬、従業員給与があります。また交通費や交際費、通信費、広告宣伝費、水道光熱費、福利厚生費なども費用のグループに属しています。今回問題になっている自動車税の勘定科目である租税公課も、費用のグループ内です。

そもそも自動車税とは?

続いて、自動車税について概要を見ていきましょう。自動車税は車両の種類によって金額が異なりますので、納税の際は注意が必要です。

自動車税について

自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車を有している人に課税される税金です。もっと厳密にいうと、自動車税の課税対象となるのは、その自動車の車検証上の所有者です。たとえ廃車にしたり、他人に車両を譲ったりした場合でも、車検証上の所有者である限り、自動車税は課税されます。車を処分する際は、忘れずに抹消登録を行いましょう。

 

また、自動車にかかる税金には、自動車税以外に「自動車重量税」と「自動車取得税」があります。自動車重量税は自動車の重量に応じて課される税金です。ただし軽自動車の場合は一律定額です。一方自動車取得税は、自動車を購入した際に課される税金です。税額は新車・中古車・年式に応じて異なります。

自動車税は細かく税額の種類が決められている

自動車税は、自動車の種類によって税額が異なります。自動車は大きく分けて「自家用」と「事業用」の2つに分類され、それぞれ税率が異なります。さらに、いずれの場合も、自動車の総排気量によって自動車税の税額が異なります。

 

たとえばおなじ軽自動車であっても、自家用と事業用との間で自動車税の税額に差があります。普通乗用車やバスの場合も同様です。会社や個人事業主が仕事のために利用するのは、普通乗用車か軽乗用車が一般的です。そのため、今回はこの2つの絞ってそれぞれの税額をご紹介します。

自動車税の税額

普通乗用車と軽自動車の自動車税の税額について大まかに見ていきましょう。自家用と事業用の両方の税額の相場をご紹介します。

普通乗用車の自動車税額

普通乗用車の自動車税は、各都道府県に納めます。普通乗用車は、総排気量によって税額が10段階に分かれています。たとえば一番小さい「1.0リットル以下」の車両の場合、自家用なら税額は29,500円、事業用の場合は7,500円です。このように、自家用と事業用の場合、自家用のほうが自動車税額は高くなります。

 

具体的に、自家用車の場合の自動車税額は29,500円~111,000円の間で10段階に分かれます。一方、事業用の車両の自動車税額は7,500円~40,700円の間で10段階です。

軽自動車の自動車税額

軽自動車税の場合、総排気量による区分はありません。そのかわり乗用と貨物用の2種類の区分があり、さらに、それぞれ自家用と事業用に分かれます。乗用の場合、自家用の自動車税額は10,800円で、事業用は7,200円です。

 

貨物用の場合、自家用は5,500円、事業用ならは3,800円です。なお、軽自動車税は市区町村に納税します。

自動車税の減税・増税

自動車税の法改正にともない、それまでの「自動車取得税」が廃止されました。代わりに導入されたのが「環境性能割」です。これは、自動車の性能によって、減税・増税の特例措置を受けるというものです。

 

自動車税と直接関係する減税措置は「グリーン化特例自動車税」というものです。いわゆるエコカーが対象であり、エコカーを取得した翌年度分に大幅な税優遇を受けることができます。

自動車税の勘定科目や仕訳処理とは?

それでは、いよいよ自動車税の勘定科目について見ていきましょう。勘定科目は自由に設定できるため、自動車の仕訳に迷う場合も多くあります。どの勘定科目で仕訳するかは、その勘定科目を選択することで生まれるメリット・デメリットを基準に考える必要があります。

自動車税の勘定科目について

さきにもご紹介したように、自動車税は「租税公課」の勘定科目で仕訳するのが一般的です。租税公課は「固定資産税」や「個人事業税」など、その他の税金の仕訳にも利用します。そのため租税公課で仕訳すると、税金関連の項目を一括で管理できるというメリットがあります。その他に、「車両費」や「修理費」などの勘定科目で仕訳してもかまいません。

自動車税の勘定科目の決め方

車両を多く保有しているなどの事情で、車に関する費用を分かりやすくしておきたい場合は、「車両費」の勘定科目で仕訳するのがおすすめです。前述のように、勘定科目は自由に設定できますので、会社にとって便利な勘定科目を選択してかまいません。

 

ただし1つ注意したいのは、一度選択した勘定科目は変更しないということです。会計処理には、「同じ勘定科目を継続して使う」という原則があります。たとえば自動車税を租税公課で計上したら、それ以降も継続して租税公課の勘定科目を使用しましょう。

自動車税の仕訳処理について

自動車税を車両費の勘定科目で仕訳した場合の仕訳例をご紹介します。

 

・現金で自動車税2万円を支払った場合

(仕訳)

借り方 金額 貸し方 金額
車両費 2万円 現金 2万円

 

 

自動車税の按分方法について

個人事業主などの場合、自家用車を営業用に利用することもあります。その場合は、自家用車であっても自動車税を経費として計上することができます。ただし、全額を経費とすることはできず、「家事按分」という方法で仕訳することになります。

そもそも按分とは?

家事按分とは、1つのものを仕事用と自家用で共有している場合、仕事用の部分に関してのみ経費計上する方法です。仕事と自家用を区別する基準には、「時間」や「スペース」などがあります。

自動車税の按分方法

自動車の場合の按分方法には、「走行距離」「使用回数」「使用時間」の3つのポイントがあります。これらの家事按分を明確にするには、自動車の利用記録などを付けておくのが良いでしょう。記録簿を作っておくと、万が一税務調査の対象となった場合でも、明確な根拠を示すことができます。

 

利用記録に記す項目には、以下のようなものがあります。

・利用日

・利用時間(出発時間と気着時間など)

・利用者名

・走行距離(メーターなど)

・目的地(訪問先名、地名など)

自動車税の按分方法の例

自動車の家事按分で最も利用されているのは、「走行距離」という基準です。走行距離はメーターで数字を確認できるため、客観的な証拠になるからです。それでは、走行距離という基準で家事按分する場合の例について見てみましょう。

 

経費として計上する必要経費の計算方法は「家事関連費×按分比率」で求めることができます。この場合の「家事関連費」とは「自動車税」のことです。ちなみに、按分比率を求める計算式は、「事業のための走行距離÷総走行距離」です。それぞれの数字は、以下のように仮定します。

 

(例)

・総走行距離 50,000km

・仕事のみの走行距離 30,000km

・自動車税 20,000円

 

(計算式)

按分比率=30,000km÷50,000km=0.6

必要経費=20,000円×0.6=12,000円

 

よって、家事按分して計上できる経費は12,000円となります。

 

自動車税に関する過去の判例をチェック!

自動車税は、自動車の車検上の所有者に納税の義務があることは、さきにもご紹介しました。それでは、やむを得ない理由で自動車を実質上所有していない場合、その車検証の所有者にも納税の義務はあるのでしょうか?実際に、過去に起こった裁判の内容と判例をご紹介します。

如何なる場合でも自動車税は支払わなければならないのか?

Aさんは脅迫により、自動車をBさんに引き渡しました。Aさんは何度も自動車の返却をBさんに求めますが、すべて失敗に終わります。自動車を利用できない状態が長期間続いたにも関わらず、自動車税の納税書が送付されてきました。そこでAさんは、やむを得ない理由があるため、自動車税は免除されるべきだとして訴えを起こします。

 

判決は、Aさんには納税の義務があるというものでした。法律上、自動車税が免除されるのは「天災その他特別の事情」がある場合であり、Aさんは、この特例措置を適用すべき状態ではないと判断されたためです。

自動車税の勘定科目で迷ったら税理士に相談!

自動車税のよりよい勘定科目の選び方に迷ったときは、お金の専門家である税理士に相談してみるのも良いでしょう。

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