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切手代やはがき代の勘定科目は?消費税の取り扱いも徹底解説!

法人や個人事業主が切手代を支払った時、どの勘定科目で仕訳するかご存じでしょうか?郵便代やはがき代は日常的に発生しますが、実際に処理する時には細かい条件がたくさんあります。そこで今回は切手代の仕訳方法について解説します。

公開日 : 2021/02/14

更新日 : 2021/02/14

目次

切手代の勘定科目は?

切手を購入した際に使用する勘定科目は、実は一つではありません。切手を何に使用するかによって勘定科目が変わるのです。

ここでは、切手はもちろん、切手に付随した印紙や封筒などについての勘定科目も含めて解説します。

勘定科目は「通信費」を使う

切手は通常、通信手段として使用すると判断されています。そのため、切手を購入した際の郵便料金は「通信費」という勘定科目で計上します。

 

通信手段とみなされているのは切手だけではありません。はがきも通信手段の一つとみなされています。このことから、通信費という勘定科目で計上するのは切手だけではなく、はがきも同様です。

 

郵便代の勘定科目も「通信費」

切手やはがきは通信手段とみなされていると上記の項目で解説しました。通信手段とみなされているものはほかにも存在します。

 

具体的には速達や内容証明郵便や書留郵便などが挙げられます。これらも切手やはがき同様に「通信費」という勘定科目を使用して計上します。

 

切手やはがきに限らず、郵便関連の費用が上がった場合は、「通信費」という勘定科目を使用する、と覚えておくと良いでしょう。

商品の発送であれば「荷造運賃」

通信費と混同されがちなケースとして、商品などの発送を挙げることができます。商品を発送する際に発生する費用は、「荷物を送る」という観点から通信費と考える人が一定数存在します。

 

しかし、商品などの発送で発生する費用に関しては「荷造運賃」という勘定科目が用意されています。商品発送という行為は厳密には通信ではないため、「荷造運賃」を使用して計上するのが一般的です。

印紙代は「租税公課」なので注意

切手と混同されがちなものとして印紙があります。印紙は見た目が切手に似ていること、郵便局で購入するなどの点から、通信費と考える人が一定数存在します。

 

印紙と切手には明確な違いがあります。切手は通信手段として使用するものですが、印紙は税金を払うための手段として使用するものです。印紙をはがきや封筒に貼って送るということはしないでしょう。それは、通信手段として使用していないということです。

 

印紙を購入した際に発生する費用については、「租税公課」という勘定科目が用意されています。通信手段として使用するものではないので、誤って「通信費」として計上しないようにしてください。

便箋、封筒は「消耗品費」

切手やはがきは通信手段として使用するものなので、「通信費」という勘定科目を使用すると説明しました。それでは、便箋や封筒はどうなるのでしょうか。

 

便箋に伝えたい内容を記し、封筒に入れて相手に送るという行為をしたことがあるでしょう。これだけで見るとはがきと同様の使い方をしているため、「通信費」として計上すると思う人がいるかもしれません。

 

しかし、便箋や封筒は通信手段以外にも使用可能です。はがきのように通信手段としてしか使用できないというものではありません。そのため、便箋や封筒を購入した場合は「消耗品費」として計上するのが一般的です。

会計ソフト(freee等)で仕訳する時は?

近年、freeeなどの会計ソフトを使用するところが増えてきています。会計ソフトを使用した場合、切手代はどのように仕訳をすれば良いのでしょう。会計ソフトを使用してもしなくても処理方法・考え方は同じではありますが、その方法について解説します。

購入時に「通信費」計上が一般的

切手代の仕訳方法は、大きく分けて2パターン存在します。その2パターンの方法は以下の通りです。

 

  購入時 使用時
原則 貯蔵品計上 通信費計上
特例 通信費計上 仕訳なし

 

本来、使用した場合に費用が発生するとされているため、切手を使用した場合に「通信費」として計上するのが原則です。そのため、上記の表の上段「原則」で計上するのが正しいとされています。

 

例えば、切手3,000円分を現金で購入し、その後、使用した場合の仕訳は以下のようになります。

 

  借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
購入時 貯蔵品 3,000 現金 3,000
使用時 通信費 3,000 貯蔵品 3,000

 

切手を購入した場合と使用した場合とで、2回の仕訳をしなければならないということです。これは経費計上が大変煩雑で、間違いのもとでもあります。

 

そこで、実際には特例の方法で仕訳が行われます。切手3,000円分を現金で購入した場合の特例での仕訳方法は以下の通りです。

 

  借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
購入時 通信費 3,000 現金 3,000

 

切手購入時に仕訳を行うだけで、使用時に仕訳を行う必要はありません。1回の仕訳で良いので簡単で間違いも少なくなるというメリットがあります。

 

本来は原則の方法で仕訳を行うことになっています。しかし、煩雑でミスも多発する恐れがあるため、特例の方法で仕訳を行うことが一般的です。

「通信費」計上時に消費税を計上する

消費税はどのタイミングで計上すれば良いのでしょう。結論から申し上げますと、消費税は「通信費」を計上した時に一緒に計上するのが決まりです。

 

原則の場合、「通信費」という勘定科目が計上されるのは、切手を使用した時なので、切手使用時に消費税も計上します。購入時には消費税は計上しないということです。

 

一方の特例の場合、「通信費」という勘定科目が計上されるのは切手を購入した時なので、購入時に消費税も一緒に計上します。特例では切手使用時に仕訳は行いませんので、使用時については考える必要はありません。

 

例えば、11月1日に94円の切手を現金で5枚購入し、11月10日にそのうちの1枚を使用したとします。その場合の原則と特例のそれぞれの仕訳は以下のようになります。

 

<原則の場合>

月日 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
11月1日 貯蔵品 470 現金 470
11月10日 通信費 85 貯蔵品 94
  仮払消費税 9    

 

<特例の場合>

月日 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
11月1日 通信費 425 現金 470
  仮払消費税 45    

未使用分は「貯蔵品」に振り替える

特例の場合、切手購入時に通信費として計上しています。しかし、原則での費用計上は「使用した時」です。そのため、特例のみ未使用の切手が存在する場合は年度末に振替作業が必要です。

 

例えば、94円の切手が年度末に1枚残っていた場合、振替仕訳は以下のように行います。

 

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
貯蔵品 94 通信費 94

 

期末で上記の振替仕訳を行った場合、期首に通信費への振替仕訳が必要です。貯蔵品分を通信費に振り替えることを忘れないようにしてください。

切手で支払った時の仕訳

郵便局でゆうパックなどを使用する場合、必要な代金を手持ちの切手で支払うことが可能です。このように郵便の代金を切手で支払った場合、「通信費」として計上します。具体的な仕訳は以下の通りです。

 

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
通信費 94 貯蔵品 94

 

上記は原則の方法で仕訳を行い、手持ちの94円切手で支払った場合の仕訳です。原則の方法で仕訳を行っている場合、手持ちの切手は「貯蔵品」として仕訳されています。そのため、使用する際は上記のような仕訳を行います。

 

特例の方法で切手を計上していた場合、切手は購入時にすでに「通信費」として計上されています。そのため、後日切手で通信費を支払ったとしてもその際の仕訳は必要ありません。

切手代には消費税がかかる?

多くのモノやサービスには消費税がかかります。それでは切手代には消費税はかかるのでしょうか?切手の消費税について焦点を当てて解説します。

切手代は消費税非課税、配達代は消費税課税

切手を購入する時の消費税は非課税で、郵便物の配達には消費税がかかります。切手を購入する際の切手代には、配達代に加算される消費税は加算されており、改めて窓口で配達代の消費税を支払う必要はありません。

購入場所によっては課税になるので注意

切手を購入する際、すべての切手に対して非課税となるわけではありません。購入場所によっては課税となる可能性もあるので注意が必要です。

 

消費税基本通達では、郵便切手が非課税対象となるのは郵便局や指定されている郵便切手販売所など一部の施設のみとされています。言い換えれば、これら指定されている一部の施設のみで切手を購入する場合には、課税対象になることがあるということです。

 

例えば、コンビニや金券ショップでも切手を取り扱っているところがあります。これらの施設は消費税基本通達で定める「指定されている一部の施設」対象外です。そのため、購入時には消費税が加算される可能性があるので注意しましょう。

確定申告に向けて気を付けるべきことは?

確定申告を行う際、切手代についてはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。確定申告の際に特に気を付けるべき注意点について紹介します。重い罰則が科せられないようにするためにも、ぜひ参考にしてください。

決算期末には未使用切手の在庫を棚卸しよう

税務調査では、特に貯蔵品の申告漏れに関して厳しいチェックが行われます。それだけ漏れが多いということです。

 

貯蔵品の計上漏れが発覚すると、確定申告での税金申告漏れと判断され、追徴課税という罰則が科せられます。「うっかり見落としていました」では済まされないのです。

 

決算時には必ず切手の棚卸をすることをおすすめします。残っている切手の枚数や金額を正確に記録し、貯蔵品として必ず計上するようにしましょう。

「貯蔵品の洗い替え」で一括処理

切手の仕訳において、購入時に「貯蔵品」で仕訳を行うと、使用するたびに「通信費」として計上しなおさなければいけません。切手を使用する頻度が多いなどの場合、うっかり通信費の計上漏れが起こる可能性があります。

 

貯蔵品から仕訳に振り替えるという作業は煩雑でミスも起こりやすいというのが現状です。そのため、多くのケースでは貯蔵品の洗い替えという方法を行います。具体的な方法は以下の通りです。

 

例えば切手を5,000円分現金で購入したとします。決算時、手持ちの切手を見てみたら2,000円分残っていました。

  借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
購入時 通信費 5,000 現金 5,000
決算時 貯蔵品 2,000 通信費 2,000

 

切手を使用するたびに通信費を計上するのではなく、決算時に残っている切手の金額を調べ、貯蔵品として計上するという方法です。これなら通信費の計上漏れもありませんし、貯蔵品としての申告漏れも防ぐことが可能です。

切手のまとめ買いには注意

特例の場合、切手は「通信費」という費用として計上されます。切手をまとめ買いすればそれだけ費用としての「通信費」の金額は高くなります。費用が高くなれば、利益が減少するため、支払う税金の金額は減少します。

 

少しでも支払う税金の金額を減らそうとして、切手のまとめ買いを正しく期末在庫の貯蔵品として計上しないことは脱税の一環とみなされることもあります。

 

税務調査官は切手のまとめ買いについて目を光らせています。貯蔵品の管理はきちんと行いましょう。

金券ショップでの現金化に注意

切手は金券ショップに持ち込むと90%という高い確率で現金化が可能です。そのため、大量に購入した切手や余った切手を金券ショップに持ち込んで現金化するという人が一定数存在します。

 

しかし、切手の金券ショップでの現金化は注意が必要です。記録として残らないケースが多いからです。また、個人的に着服するというケースも多くみられます。

 

切手を金券ショップなどで現金化すること自体は悪いことではありません。その際、レシートなどを受け取って計上すれば問題ありません。しかし、脱税方法として悪用するケースがあることも事実ですので、注意が必要です。

郵便業務を効率化するには?

郵便業務は切手などのような細かなものが多いため、複雑化しがちです。そんな郵便業務を効率化するためにはどのようにすれば良いのでしょうか。郵便業務の効率化について紹介します。

料金後納便を利用して在庫レス化

会社では、毎月ある程度の郵便業務が発生します。郵便業務が比較的多い事業者は後納郵便を利用することで効率化を図っています。

 

後納郵便は誰でも利用できるわけではありません。利用条件というものが設けられています。

 

  • 毎月、郵便や荷物を50件以上送る
  • 事前に取り扱い郵便局の承認を得る
  • 1か月に発生する郵便料金を算出し、2倍以上の担保を提供

 

担保については現金や有価証券、金融機関の証明書などが使用可能です。郵便局が担保として認めるものなら、有効ですので相談してみてください。

 

メリットとして、会計処理や支払いが簡単になるという点が挙げられます。支払いについては指定の口座から引き落としが可能なので、窓口で料金を支払う必要はありません。

 

しかし、審査に時間がかかり、2倍以上の担保を納めなければならないなどのデメリットも生じます。審査にかかる時間はおおよそ1か月と言われています。また、審査で認められないというケースもあるため、スムーズにいくとは限りません。

Webゆうびんで手作業を減らす

Webゆうびんを使用するという方法も効率化を目指すうえでおすすめです。Webゆうびんとは、インターネット上で郵便サービスを使用する方法です。

 

メリットとして、いつでも使用可能で手作業が不要という点を挙げることができます。Web郵便は24時間365日使用可能なので、土日祝関係ない事業者にとっては大変便利です。

 

ただし、通常の通信費に比べて料金が高いというデメリットがあります。普通郵便の場合は84円ですが、Webゆうびんを使用すると99円かかります。ただ、郵送に必要な作業はすべて代行してくれるので、それを考えると安いと言えるでしょう。

キャッシュレス決済で入出金の手間を減らす

近年、全国の郵便局ではキャッシュレス化の導入を進めています。キャッシュレス化の導入によって、切手の購入の際にはクレジットカードや電子マネーの使用が可能になります。

 

キャッシュレス決済が使用可能になると、切手購入の際にかかる会計事務作業が削減できます。口座と会計ソフトを連動させることで、切手を購入した際には自動で会計ソフトに記帳されるのです。

 

郵便局のキャッシュレス化の導入は現在も進行中です。今後もキャッシュレス決済が可能な郵便局は増加していきます。それに伴って、郵便業務の効率化も並行して進んでいくでしょう

切手代を正しく理解して業務効率化に繋げよう

一口に切手代と言っても、その中身は大変複雑です。切手代について正しく理解することで、業務の効率化につながります。ミスをなくすためにも正しく理解して、積極的に業務の効率化につなげてください。

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