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会社の定款とは何?定款の内容や取得方法、閲覧方法などとはどんなものか

定款という言葉を聞いたことがあるでしょうか。会社を設立する際には必要となるものですが、その詳細や内容、閲覧方法などをご紹介します。会社を設立しようとお考えの方や、会社にお勤めで定款が必要になった場合にご参考してください。

公開日 : 2020/12/04

更新日 : 2021/04/20

目次

定款とは何?わかりやすく解説

定款は会社の設立時には必ず必要なもの。会社の形態を問わず、必ず定款は作成しなければなりません。しかし、実際には会社に勤めていても、定款にはほとんどなじみがないという方も多いでしょう。そこで今回は、定款について詳しく解説していきます。

会社定款の読み方とは?

定款は「ていかん」と読みます。耳慣れない言葉かもしれませんが、定款は法人に欠かせないものです。そのため、会社設立を考えている人は、定款の読み方や存在はもちろん、意義についてもしっかり把握しておく必要があります。

会社で定款を作成する目的は何?

定款には会社を運営していく上で必要不可欠となるルールが記載されています。つまり定款を作成するということは、これから設立する会社の根本規則を策定することでもあります。

そもそも定款とは?

前述のように、定款は会社を運営していく上で必要な根本的規則・ルールです。そのため、定款は「会社の憲法」とも呼ばれています。会社を設立するならば、定款は必ず作成しなければならないと法律で定められています。

 

株式会社の場合は、定款は発起人の全員で作成します。ちなみに定款の形式は自由で、紙・電子媒体などの形態があります。定款には、屋号や事業目的、機関設計など、会社の基本的な事項を記載します。

 

さらに、定款には発起人の署名もしくは記名捺印が必要です。作成できたら、公証役場で公証人による認証を受けなくてはいけません。認証を受けることで、定款は効力を発揮します。

原始定款と現行定款の違い

定款には「原始定款」と「現行定款」の2種類があります。原始定款とは、会社設立にあたって初めて作成された定款です。株式会社の場合は、公証役場で認証を受けたものでなければなりません。

 

一方、現行定款とは、現在有効な定款のことです。事業を運営していくにあたり、定款を変更することは少なくありません。原子定款のままでは会社の現状や事業拡大にそぐわない場合は、定款を変更して、新しいルール=現行定款を作っていきます。

 

つまり現行定款とは、最新のものに書き換えられた定款ということです。現行定款には公証役場での承認は必要ありません。また、銀行や役所から定款の提出を求められた場合に提出するのは、現行定款であることが一般的です。

定款の内容はどんなもの?

定款は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つの項目から成ります。それぞれの内容について見ていきましょう。

絶対的記載事項

「絶対的記載事項」とは、定款に必ず記載しなければならない項目です。具体的には以下の項目が絶対的記載事項にあたります。

 

・目的

・商号

・本店の所在地

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

・発起人の氏名または名称及び住所

・発行可能株式総数

 

以上の6項目の記載がない定款は無効です。このうち、最後の「発行可能株式総数」については、認証を受ける定款には定めなくてもOKです。ただし、少なくとも設立登記までには定款に定めなければなりません。

相対的記載事項

相対的記載事項は、記載がなくても定款の効力自体には影響がありません。ただし、その事項について定款に定めがない場合は、その効力が否定されてしまいます。つまり、効力を持たせるためには記載が必要な事項ということです。相対的記載事項には以下の項目があります。

 

・現物出資

・財産引受

・発起人の報酬

・設立費用

・株式の譲渡制限に関する規定

・株主総会の招集通知を出す期間の短縮

・役員の任期の伸長

・株券発行の定め

 

このうち、「現物出資」「財産引受」「発起人の報酬」「設立費用」の4項目は、発起人などが濫用して会社に不利益を与える可能性が高いものです。この4項目は「変態設立事項」と呼ばれます。変態設立事項については、定款に記載後、裁判所の選任した「検査役」の調査を受けなければならないという決まりがあります。

任意的記載事項

任意的記載事項とは、定款に必ずしも記載の義務はありません。任意的記載事項がなくても定款自体が無効となることもありませんし、定款に記載していないくても、その効力が否定されることもありません。

 

このように任意的記載事項は、決めても決めなくてもよい事柄ですが、あえて定款に記載することで、その効力を明確に知らしめることができます。そのため、会社側が任意で会社の基本事項として記載することが多いです。具体的に以下の項目が任意的記載事項に含まれます。

 

・事業年度

・取締役などの役員の数

・株主総会の議長

・定期株主総会の招集時期

・基準日

・広告方法

 

これらの任意的記載事項を定款に記載し、その内容を変更する必要が生じることもあります。変更するためには、「定款変更」という株主総会の特別決議が必要です。

会社の定款を取得する方法はある?

定款はさまざまな場面で提出を求められます。そのときに、定款の紛失という万が一の事態もあり得ます。定款を紛失した場合は、主に以下の2つの方法によって定款の内容を確認することができます。

会社設立登記申請書の閲覧申請

原始定款を確認したい場合は、会社設立登記を行った法務局に、会社設立登記申請書の閲覧申請を行います。ただし、誰もが閲覧できるわけではありません。定款などの登記申請書およびその附属書類は、利害関係者が閲覧の目的を明確にし、それが認められた場合にのみ閲覧が可能です。

 

また、登記申請書およびその附属書類の保存期間は約5年です。期間を経過している場合は破棄されている可能性があります。

謄本の申請

設立時の定款認証をした公証人役場に、謄本の申請をする方法もあります。これにより、公証人の認証を受けた定款の謄本を取得することができます。ただし、保存期間は20年間です。期間を過ぎると謄本を取得することはできません。

会社の定款変更は可能?

会社の定款は、あとから変更が可能です。ただし、一定の手続きを経なければ、変更することはできません。

定款変更とはどんなものか?

定款の変更とは、文字通り、自社の定款に記載されている事項を変更することです。もし登記事項を変更する場合は、法務局で変更登記申請を行う必要があります。

議事録の添付で新旧定款を照合できる

定款を変更するとは、定款を上書きすることではありません。変更点をまとめた議事録などを、原始定款に添付して提出します。こうすることで、新旧の定款の相違点を照らし合わすとともに、履歴をさかのぼることも可能になります。

株主総会での特別決議が必要

定款の変更は、すべて株主総会での特別決議が必要です。この場合、登記申請の必要不要は問いません。特別決議を得るためには、「決議に必要な定員数」と「賛成数」の条件を満たさなければなりません。

 

具体的には、定款の変更の特別決議には、行使できる議決権の過半数を有する株主が出席する必要があります。さらに、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要です。

会社の定款はどうやって閲覧する?

会社の定款は可能です。ただし誰でも閲覧できるわけではなく、条件を満たした人に限り、閲覧することができます。具体的な定款の閲覧方法や、注意点などをご紹介します。

会社法で定款の閲覧請求権は限定的

会社法では、定款の閲覧請求権というものが認められています。ただし、誰でも自由に閲覧できるものではなく、定款の閲覧を請求できるのは株主か債権者に限られています。ちなみに定款は本店所在地および支店に備えづけが義務付けられています。

 

株主や債権者は、営業時間内にこれらの場所で定款閲覧請求権を行使すれば、自由に定款を閲覧することができます。

一般人は他の会社の定款の閲覧は不可能

前述のように、会社の定款を閲覧できるのは株主か債権者です。つまり、一般の人は他所の会社の定款を閲覧することはできません

登記事項証明書の請求で見れる?

定款は基本的に、株主か債権者にのみ開示されます。しかし、それ以外の人でも定款を閲覧する方法はあります。それは、当該会社の管轄の法務局で「登記事項証明書」を請求する方法です。

 

その会社を管轄する法務局で、登記事項証明書を取得すると、定款の一部である登記事項・取締役・事業目的などを見ることができます。定款すべてを閲覧することはできませんが、基本的な事項はこの方法で知ることができます。登記事項証明書の申請は誰でも可能です。

定款を紛失した場合にはどうする?

定款を紛失したら、まずは法務局や公証役場に問い合わせてみましょう。前述のように、会社設立登記申請書の閲覧請求を行うか、設立時の定款認証をした公証人役場に謄本の申請をするという2通りの方法で取得が可能です。

 

注意したいのは定款を変更した場合です。定款を変更しても、公証役場での認証は必要ありません。そのため、変更点については公証役場は認知していません。もし定款変更の際に、行政書士などに手続きを依頼した場合は、そちらに相談してみましょう。

定款(例)はある?

会社設立にあたり、定款の書き方が分からない場合もあります。そういったときには、インターネットなどを利用して、定款の例を参考にしてみるとよいでしょう。

ネット上にも記載例が紹介されている

インターネット上には、定款の記載例が掲載されているHPもあります。書き方が分からないときは、そういった例を参考にしてみるとよいでしょう。定款の記載例は、「日本公証人連合会」のHPのほか、行政書士のHPにも掲載されていることが多いです。団体別の定款例も載っていますので、自分の会社にふさわしい例を探してみてください。

定款の作成が可能なサイト

インターネット上には、無料で定款を作成ができるサイトもあります。方法はさまざまですが、基本的には必要な事項や数値を入力していくだけで、会社設立に必要な定款を作れるものがほとんどです。

 

作成サイトの中には、電子定款に対応しているものもあります。定款を紙で作成する場合は収入印紙代として4万円が必要ですが、電子定款の場合は収入印紙代は必要ありません。コストカットを重視しているなら、定款作成サイトの利用がおすすめです。

合同会社も定款が必要?

会社を設立するにあたり、株式会社ではなく合同会社という形態を選択することもあります。合同会社の設立にも、果たして定款の作成は必要なのでしょうか。

合同会社も定款が必要

合同会社であっても定款は必要です。しかし株式会社と異なり、合同会社の場合は、公証役場での認証が免除されています。公証役場での認証には費用が必要なため、合同会社を選択することでコストカットにつながります。

 

合同会社の定款には、株式会社の定款と同様に「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の記載が必要です。ただし、それぞれに含まれる項目については、株式会社と少し違いがあります。

絶対的記載事項

合同会社の定款にも「絶対的記載事項」の記載が必要です。具体的な項目は以下の通りです。

 

・目的

・商号

・本店の所在地

・社員の氏名または名称および住所

・社員の全部が有限責任社員とする旨

・社員の出資の目的およびその価額

相対的記載事項の例

絶対的記載事項と同じく、相対的記載事項も合同会社の定款には必要です。具体的な項目には以下があります。

 

・業務執行社員の定め

・代表社員の定め

・社員の退社

・合同会社の解散事由

・合同会社の存続期間

・利益の配当

定款は会社をあらわすもの

定款とは会社のルールです。会社を設立するなら、定款は必ず作成しなければなりません。インターネット上に定款の例があるため利用して作成することができます。しかし、将来的な事業拡大を見据え、漏れのない定款を作成したいなら、司法書士・行政書士などの専門家に相談してみるのがおすすめです。

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