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グリーン車での通勤は通勤手当に該当するの?現在の定期代金も紹介!

JR東日本では2019年10月1日に消費税増税に伴いグリーン車の料金を値上げしました。そこで今回は通勤でも用いるグリーン車の定期代を紹介します!また、グリーン車での通勤にかかる費用は通勤手当として認められるのかどうかについても紹介します!

公開日 : 2021/02/08

更新日 : 2021/02/08

目次

グリーン車の定期代に関する事例をチェック!

感染症対策として自宅で仕事をするリモートワークなどが増えていますが、それでも毎日満員電車での通勤を余儀なくされている人も多いのではないでしょうか。そのような中で、グリーン車のスポット利用や定期券の購入を検討している人は、ぜひチェックしてください。

グリーン車の定期代は通勤手当として認められる?

会社勤務のAさんは、毎日大船渡駅から東京駅まで電車で通勤をしていたとします。毎朝8時前の東京行の普通電車は満員のため、Aさんは普通列車よりも空いているグリーン車での通勤を検討することにしました。

 

もし、Aさんがグリーン車の定期を購入してグリーン車を利用して通勤をした場合の定期代は通勤手当として認められるのでしょうか。

 

Aさんと同じような境遇で、普通列車以外を利用して通勤をした場合、その定期代が通勤手当として認められるのだろうかと疑問を抱いている人は多いのではないでしょうか。

グリーン車での通勤に手当はでるのか?

通勤でグリーン車の利用を検討している人にとっては、グリーン車の通勤に手当はでるのかどうかということではないでしょうか。グリーン車での通勤には注意点があるので確認しておきましょう。

グリーン車での通勤は注意が必要!

グリーン車での通勤は通勤手当として認められないため、給与の一部として源泉徴収しなければなりません。しかし、非課税対象だと思っていてグリーン車での通勤を申告しないでおくと、知らず知らずのうちに脱税をする可能性があるため注意が必要です。

 

グリーン車の定期代や通勤手当の仕組みについては、以下で紹介します。

現在のグリーン車の定期代はいくら?

自身が利用している路線で普通列車に連結されたグリーン車があること、そしてそれを利用したい場合はグリーン券を購入すれば良いということは知っていても、グリーン車の定期券があることを知らないという人は多いようです。グリーン車の定期代をご紹介します。

グリーン車が連結している普通列車

普通列車にグリーン車が連結しているのは、全線ではありません。現在、連結している路線は、東海道線、横須賀線、総武快速線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、常磐線です。

 

ただし、全ての時間帯の普通列車に連結されているわけではなく一部の列車とされているので注意しましょう。連結されているかどうかは、時刻表で確認できます。

 

これらの路線は、朝夕の通勤通学時間帯に混雑する路線でもあります。普通列車に連結されたグリーン車は特急や急行、新幹線などのグリーン車とは違い全席が自由席です。予約席ではないので、座れないということもあります。

普通列車のグリーン車の料金

2019年10月1日から消費税引き上げに伴って料金も値上げされました。普通列車に連結されたグリーン車に乗車するには、乗車券や定期券の他に「普通列車グリーン券」を購入し併用します。料金は目的地までの距離と曜日、車内購入か事前購入かによって異なります。

 

【平日料金】

種類 50キロまで 50キロ以上
事前料金 780円 1,000円
車内料金 1,040円 1,260円

 

【ホリデー料金】土曜・休日及び12月29日から1月3日

種類 50キロまで 50キロ以上
事前料金 580円 800円
車内料金 840円 1,060円

 

普通列車グリーン券は1つの列車に1枚必要ですが、首都圏エリアであれば同一方向に乗り継ぐ場合は改札口を出なければ1枚の普通列車グリーン券で乗車できます。

普通列車のグリーン車の定期代

普通列車のグリーン車の定期券を購入すれば、都度、普通列車グリーン券を購入する手間を省けます。東京から主な区間への1カ月のグリーン定期券の金額をご紹介します。

 

目的駅 グリーン車の定期料金 一般定期料金
川崎 30,820円 9,220円
津田沼 45,550円 14,170円
横浜 45,550円 14,170円
千葉 50,580円 19,430円
大船 53,000円 21,950円
鎌倉 64,360円 23,380円
茅ヶ崎 69,140円 28,440円
平塚 71,220円 30,610円

 

グリーン車の定期料金は、一般の定期料金と同じように距離によって料金が変わります。

 

【東京駅からの距離】

東京駅からの距離 駅名
10kmまで 品川・赤羽・新小岩
15kmまで 西大井
20kmまで 川崎・市川・松戸
25kmまで 船橋・浦和
30kmまで 横浜・大宮・津田沼・柏
40kmまで 千葉・取手
41km 戸塚
47km 大船
55km 逗子・辻堂
62km 熊谷・古河
64km 平塚
77km 小山
84km 小田原

週何回の通勤だと定期代の方がお得になる?

普通列車グリーン券の料金とグリーン車の定期券の料金がわかると、実際1週間の内に何回グリーン車を利用して通勤するのであれば定期代の方がお得になるのかという疑問がわいてくる人も多いのではないでしょうか。一回のグリーン車乗車券と定期券の料金を比較してみましょう。

 

東京駅から20キロの川崎を例に週5日平日に通勤する場合で比較してみましょう。東京駅から川崎までの1カ月のグリーン車の定期料金は30,820円です。グリーン券を都度購入する場合、往復で1560円の5日分の4週分として31,200円に通常定期代9,220円を合わせて40,420円です。

 

この場合はグリーン車の定期券を購入する方がお得ですが、平日出勤であっても月によって平日の日数が違うことやお得かどうかは違距離によっても異なるため、自身が利用する区間の料金を確認して実際の出勤状況と合わせて計算することをおすすめします。

グリーン車の定期は通勤手当としてアリ?

グリーン車を利用するために定期を購入した場合、通勤手当を受けることができるのか疑問に思う人もいるのではないでしょうか。ここからは、通勤手当に関して解説します。

そもそも通勤手当とは?

そもそも通勤手当とはどういったものなのかご存知でしょうか。通勤手当とは、従業員が通勤するにあたってかかる費用の全額または一部を会社が支払うことを指します。しかし、通勤手当は必ずしも会社が支払わなければならないものではありません。

 

会社には他には残業手当や扶養手当、住宅手当などがありこれらは課税対象ですが、通勤手当は非課税です。しかし、いくらでも非課税になるわけではありません。非課税となる上限金額が決められています。

通勤手当の種類について

通勤手当は4つに大別できます。「公共交通機関での通勤」「車両や自転車などの交通用具で通勤」「定期乗車券で通勤」「交通機関と交通用具を利用して通勤」の4つです。

 

車両で通勤する場合、会社に駐車場がなく会社が月極の駐車場代を負担してくれる場合もあるでしょう。その場合、駐車場代は厳密には通勤手当ではなく「地代家賃」です。

通勤手当に課せられる税金とは?

通勤手当は実費弁償として支給されるものであるため、所得税は原則課税されません。しかし、必ずしも通勤手当が非課税になるわけではなくあくまでも非課税になるのは限度額以内の場合です。限度額を超えた通勤手当に関しては、給与として課税されます。

通勤手当が非課税になる限度とは?

会社が従業員に通勤手当を支払うと、通勤手当は従業員の給与所得となるため所得税が課せられますが、通勤手当の所得税には非課税枠があります。それぞれの非課税限度額についてみてみましょう。

公共交通機関を利用の場合の限度

電車や新幹線、バスなどの有料の公共交通機関を利用して通勤している場合の非課税対象となる限度額は、1カ月あたり15万円です。ただし「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経理及び方法で通勤した場合」という条件が付いています。この条件を満たした通勤費で1カ月15万円を超えるものは、その超過した金額が課税の対象になります。

自家用車を利用した場合の限度額

自家用車を利用して通勤している場合の非課税の対象となる限度額は、片道の通勤距離によって定められています。これは自動車だけでなく自転車であってもバイクであっても同じです。

 

距離 非課税限度額
55km以上 31,600円
45km以上55km未満 28,000円
35km以上45km未満 24,400円
25km以上35km未満 18,700円
15km以上25km未満 12,900円
10km以上15km未満 7,100円
2km以上10km未満 4,200円
2km未満 全額課税

 

通勤で有料道路を利用する場合は、有料道路の通行料距離も加えた金額です。

グリーン車利用は非課税対象にならない

交通費は上限の金額はあるものの、非課税となります。しかし、グリーン車の利用は交通費ではありますが、これは非課税対象にはなりません。たとえ非課税になる限度額内であったとしても同じです。

 

なぜなら、もう1つの条件である「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」を満たさないと解釈されるからです。そのため、グリーン車は非課税対象ではないのです。

グリーン車でも座れない場合がある

普通列車に比べると空いているグリーン車ですが、時間帯によっては必ず座れるわけではありません。また、グリーン車では、通路やデッキに立った状態で乗車する場合でもグリーン券が必要です。

 

グリーン券を購入してグリーン車に乗車したが、満席で普通車に移る場合は、グリーンアテンダント(乗務員)に伝えましょう。車内での払い戻しは行われていません。

グリーン車に関する過去の判例をチェック!

グリーン車に乗車する人は、普通列車にはない快適さや景観を求めている人も多いものです。そのため、以下のような損害賠償請求が行われました。

グリーン車の質について争った裁判

パノラマの景色が楽しめると期待してグリーン車に乗車したものの、席が反転できないタイプだったため乗車中ずっと後ろ向きのままで景色は楽しめず、それに加えて進行方向と反対側を向いていたことから乗り物酔いをしてしまった人が、損害賠償請求を起こしました

 

本来提供されるべきであるグリーン車の内容を備えていないという理由です。しかし、この主張は受け入れられませんでした。確かに、座った席からは景色は楽しめなかったものの、グリーン車としての一定の水準は備えていると判断され、債務不履行にはならなかったのです。

 

判決の内容からすると、グリーン車の定義は「特別な設備をした座席車」と定めるのみで具体的な記載されておらず、本件においてもグリーン席として客観的に要求される快適性を欠くとまでは認められなかったということです。

時にはグリーン車でゆったりと通勤しましょう!

グリーン車を利用した通勤に関する料金や通勤手当に関して解説しました。毎日の満員電車に苦痛を感じている人は多いものです。残念ながら通勤手当としては認めらませんが、時にはグリーン車を利用してゆったりと通勤してみてはいかがでしょうか。

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