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起業に税理士は必要?税理士に相談するメリットや費用、選び方も解説

起業には様々な手続きが必要なため、税理士に相談するか悩む方も多いのではないでしょうか。起業に税理士は必要かや起業で税理士に依頼できる業務内容は何かなどわからないことも多いですよね。ここでは起業で税理士に相談するメリットや業務、費用、税理士の選び方も解説します。

公開日 : 2021/01/25

更新日 : 2021/01/25

目次

起業時に税理士に依頼すべき?よくある事例で確認!

法人には税理士のサポートが不可欠。例えば毎年の決算の手続きや節税対策は、税理士なしに成功させるのは難しいといわれています。ところで、法人が税理士に依頼すべきタイミングとは、具体的にいつなのでしょうか。以下に、法人としての企業を決意したAさんを例にとって、税理士に依頼すべきタイミングをご紹介していきます。

起業を決意したAさん

起業手続きにはさまざまな書類の準備や、煩雑な手続きが必要です。税理士に相談や代行を依頼することもできますが、Aさんはコスト削減のために、そういった手続きはすべて自分で行おうと考えています。税理士に相談するのは、起業後の決算の申告業務が必要になったときに考えればいいというのが、いまのAさんの考えです。

 

しかし実際に企業の準備を進めていくうちに、思うように資金調達がうまくいかないことに気づきました。そこでAさんは、やはり起業時にも税理士に相談したほうがいいのだろうかと悩み始めています…。

 

Aさんはどのタイミングで税理士に依頼すべき?

起業を決意したAさんですが、さっそく壁にぶつかってしまったようです。さて、Aさんは、自身が考えるように起業時に税理士に相談すべきなのでしょうか。ここからは、税理士に相談すべきタイミングや、そのメリットについて見ていきましょう。

起業時に顧問契約を結んだ方がトータルで費用を抑えられることも

将来的に税理士に相談することを考えているなら、起業時に顧問契約を結ぶのがおすすめです。なぜなら、起業時に税理士と契約したほうが、様々な面でのコスト削減につながるからです。

 

たとえば会社設立後の税務処理の依頼を前提に契約を行うと、設立手続きにかかる費用を大幅に下げてくれる税理士事務所が多いです。場合によっては自分で手続きを行うときと同額の金額で手続きを請け負ってもらえることもあります。

 

また、起業に必要な資金調達や資金繰りについても相談できるため、起業時の資金のコストをぐっと下げることも可能です。起業や運営時の費用をトータルで下げたいなら、起業のタイミングで税理士に相談するのがベストです。

起業時に税理士に依頼するメリットとは?

税理士に相談するメリットをさらに具体的に見ていきましょう。税理士に相談することで得られる主なメリットは以下の4つです。

資金調達の相談ができる

多くの場合、起業の壁となるのが起業資金の調達です。税理士には、起業資金の調達方法についても相談することができます。とくに金融機関からの融資を考えているときには、税理士は心強い存在です。

 

融資は手続きの方法によって成功確率が大きく変動します。しかし、融資や資金調達の知識・経験が豊富な税理士に相談することで、融資の実行確立を上げることができます。

助成金や補助金についても相談できる

助成金や補助金の利用を検討しているなら、その内容や手続き方法をくわしく把握しておかなければいけません。このとき、助成金や補助金の利用条件を熟知した税理士のサポートがあれば、どの助成金を利用すべきかの判断が容易になります。

 

人材投資といった経営判断を有利に進めるためにも、助成金や補助金をうまく使いこなすことは大切です。資金繰りと経営判断を有利に進めれば、競合他社に差をつけることにもつながります。

事業に専念でき起業が成功しやすくなる

税理士はお金の専門家です。税理士と顧問契約を結び、節税・投資といった資金管理や運用を委託することで、会社経営者は事業に専念することができます。起業を成功させ、その後の事業を順調に進めるためにも、なるべく早い段階で税理士に税務処理を任せておくのがよいでしょう。

最適な報酬や給与を決めることができる

起業後にまず決めておくべき事柄に、役員報酬があります。役員報酬を高額で設定すると、決算の際に所得税が高額になります。逆に、会社の収入が多くなるように設定すると、法人税が高額になります。つまり、これらのバランスがちょうどよくなる最適点の報酬や給与を決めなければなりません。その際にも、税理士に見極めてもらうことで、適切な判断を下すことができます。

税理士と他士業とのネットワークを利用できる

税理士は幅広いネットワークを有しています。たとえば起業手続きに必須である登記の申請や官公庁への提出書類の代行を請け負っている業者などが挙げられます。税理士経由でそういったサービスを利用すれば、企業手続きをよりスムーズに進めることが可能です。

 

また、税理士は行政書士や司法書士とのつながりも深いため、顧問税理士に他士業の仲介を頼むことができる点も、メリットの1つといえます。

起業時の税理士を選ぶ9つのポイント!

起業時に税理士と契約すると、さまざまなメリットを得ることができます。しかし税理士にはそれぞれ得意分野があるため、選び方を間違えると、思うようなメリットを得られないということもあります。つまり、税理士の選び方はとても大切なのです。税理士を選ぶ際には、ぜひ以下の9つのポイントに着目してみてください。

①経営相談に乗ってくれるか

起業や経営について税理士に相談することで、心強いサポートを受けることができます。とくに金融機関との付き合い方や、現金を最大限手元に残す方法、また現金を手元に残す節税や敢えて現金を残さない節税の方法など、お金に関するきめの細かいサポートは、法人や会社経営者にとってなによりも大切です。

 

そういったサポートを受けるためにも、起業や経営に親身に相談に乗ってくれる税理士を選びましょう。

②資金調達を得意としているか

税理士に依頼するメリットとして「資金調達の有利化」がありますが、実は税理士試験には資金調達という項目はありません。つまり、資金調達についての手腕は実務経験の中で培われていくものであり、税理士によって得意不得意に明確な差があります。

 

資金調達が得意な税理士を見極めるポイントは3つあります。1つ目は「資金調達の経験や実績が豊富」かどうか。2つ目は「金融機関での勤務経験の有無」、3つ目は「経営革新等支援機関の認定の有無」です。ちなみに「経営革新等支援機関」とは企業財務などの豊富な実務経験がある税理士だけが認定を受けることができます。

 

さらに、「融資実行率」の数値を直接尋ねるのも、有効な見極め方法です。一般的な数値は3割ですので、選ぶ際の参考にしてください。

③節税の経験は多いか

税理士は節税のプロともいわれますが、中には節税の経験が少ない税理士や、節税に積極的でない税理士もいるのが実情です。節税を前提に税理士に依頼をするなら、節税の知識に詳しいかどうかや、実務経験があるかどうかは重要なポイントです。

 

節税の経験がある税理士かどうか見極めるには、まず節税の制度に詳しいことをチェックポイントにしましょう。次に、節税について積極的な説明をしてくれるかどうかも、重要なポイントです。も消極的な態度を取られた場合、その税理士は節税にはあまり協力してくれない可能性が高いです。

 

さらに大切なのは、節税に伴うリスクの説明の有無です。節税はときには大きなリスクを負う方法もありますので、そういった情報を包み隠さず教えてくれるかどうかも、信頼の基準の1つとなります。

④他士業とネットワークを持っているか

前述のように、税理士のネットワークを活用することで、起業手続きをスムーズに進めることができます。最初に相談する段階で、行政書士や司法書士などとのネットワークを持っている税理士を選ぶと、新しい専門家を探す手間を省くことができるでしょう。

⑤経理や会計について指導してくれるか

起業したての頃は、経理や会計の知識は乏しいものです。もちろんお金の問題はすべて税理士に全て委ねることもできます。しかしすべて税理士頼みになってしまうと、万が一税理士が駆け付けられない状況でトラブルが発生した場合何一つ解決することができないというリスクを負うことになります。

 

そういったリスクを下げるためにも、会社経営者もある程度の知識を持っておくことが大切です。ひいては、お金について親身に指導してくれる税理士を選ぶことが大切だといえるでしょう。

⑥税務調査に強いか

万が一税務調査が入ったときでも、税務調査の経験が豊富な税理士の立ち合いがあると、有利に進めることができます。ただし、法人の税務調査の実行件数はとても少なく、全体の3%しかありません。つまり、税務調査を実際に経験している税理士の数は少ないです。

 

税務調査を経験したことのない税理士の場合、税務調査のときに税務調査官の言いなりになってしまうケースが多々あります。よって、税務調査の知識や経験が豊富な税理士を選ぶことが大切だといえるでしょう。

 

見極め方として、「税理士とのしての実務経験が豊富かどうか」というポイントがあります。また「元税務調査官」の税理士を選ぶと、税務調査のノウハウを熟知しているため、実際の調査を有利に切り抜けられる確率が高くなります。

⑦料金体制が明確か

費用面を心配せずに契約を結ぶためにも、料金体系が明確な税理士を選びましょう。料金体系が不明確な場合は、相手や会社の状況にあわせて料金を変えている可能性があります。初めの契約では作業量による料金体系であったのに、会社に利益が出始めると、売上高による料金体系に変更されるようなケースは多いです。

 

税理士との契約は長期にわたるものであり、信頼できる税理士を選ばなくてはいけません。費用面でのトラブルを避けるには、料金体系がはっきりしている税理士をあらかじめ選ぶことが大切です。

⑧コミュニケーションツールが合うか

税理士を選ぶときには、事業を理解してくれ、相性がいいかどうかも大切な見極めポイントです。たとえば、コミュニケーションツールが合うかどうかが、判断基準となるでしょう。会社経営者などの法人側が、普段使用しているコミュニケーションツールで連絡を取れるかどうかは、意外に大事なポイントです。

 

もし、普段まったく使用しないツールを指定されたとしましょう。すると、そのツールを利用するために費用が発生したり、使い慣れないツールを使うことにストレスを感じたりすることがあります。こういった細々した点に柔軟に対応してくれるかどうかは、税理士の会社に対するスタンスを見極めるポイントになります。

⑨レスポンスは早いか

起業したてのころは事業環境の変化が著しく、一瞬の判断ミスや遅れが命取りになることも多いです。不安定な状態に置かれている法人にとって、レスポンスが早い税理士の存在はとても重要です。現代はめまぐるしく情勢が変わるため、その場その場に適した素早い判断や、レスポンスを返してくれる税理士を選ぶことが、起業の成功につながります。

 

このとき、税理士には一定数、アナログなスタンスを変えない人がいることを念頭に置いておく必要があります。先ほどのコミュニケーションツールの問題は、こういったスタンスの見極めや、事業に対する理解を図るためのポイントにもなります。

起業時に税理士に依頼する場合の費用相場とは?

税理士に依頼や相談をする際、気になるのが費用です。ここでは、起業のときに税理士に依頼したときの費用や、そのほかの相談にかかる費用について見ていきましょう。

自分で起業をした場合にかかる費用

自分で起業手続きを行った際に必要となるのは、「定款印紙代」「定款印紙手数料」「謄本交付手数料」「登録免許税」といった費用です。定款印紙代は、株式会社化合同会社化にかかわらず一律4万円です。

 

一方、定款印紙手数料は株式会社のみ必要で、5万円です。謄本交付手数料は区別なく一律5万円必要です。最後に登録免許税は一律資本金の0.7%ですが、最低料金が定められており、最低でも株式会社なら15万円、合同会社なら6万円です。

 

つまり、登録免許税を最低額に設定しても、株式会社なら24万2000円、合同会社には10万2000円が、それぞれ起業時に必要となります。

税理士に起業を依頼した場合の費用

税理士に起業を依頼した場合、先に紹介した4つの費用に加え「税理士手数料」「司法書士手数料」が必要になります。税理士手数料や司法書士手数料は、会社の種別にかかわらず、5万円というところが多いです。つまり、先ほどご紹介したそれぞれの起業費用に5万円をプラスした金額が、税理士に起業を依頼した場合の費用になります。

起業関連業務を税理士に依頼した場合の料金相場

起業や法人成りの際には、資金調達や事業計画書の作成が必要となることも多いです。さらに、会社設立後には、記帳や決算申告なども必要となり、これらは税理士に依頼することができます。

 

資金調達の支援の費用は成功報酬となっており、調達した金額の1%程度です。事業計画書の作成は5万円程度、決算申告の依頼費用は10万円~20万円程度が相場です。また記帳代行は1仕訳あたり50円~100円といったところです。

税理士に依頼した方が安くなる場合も

税理士に依頼をすると、もちろん手数料が発生します。しかし、税理士に依頼することでコストを下げられる項目もあり、トータル的には安い費用で起業手続きを行うことも可能です。たとえば定款印紙代があります。税理士はデータ上で定款認証をうける「電子認証」を利用できるため、税理士に依頼すると定款印紙代の4万円をカットすることができるわけです。

 

また、設立後の税務顧問契約を前提に、設立手続きに関する費用を大幅に下げてくれる税理士事務所もあります。また場合によっては、自分で手続きをする場合と同じく20万円強で設立手続きを請け負ってくれる税理士もいます。

 

税理士に相談する際に必要なものとは?

税理士に相談や依頼をする際、面談に向けて準備しておくべきものがいくつかあります。それぞれをご紹介していきます。

謄本・定款

会社の基本事項が分かる書類を準備しましょう。謄本や定款のほか、必要だと思う書類があるなら、そちらも持参するようにします。

資産や資金状況がわかるもの

面談では経理関係の確認事項が主となるため、資産や資金状況が分かる書類を準備します。たとえば残高が分かる通帳のコピーや残高証明書などがあります。フォーマルな形式を守る必要はなく、大まかな資金情報が分かる書類を準備すればOKです。

依頼理由や業務内容の方針を決めておく

依頼理由や税理士の業務内容については、あらかじめ方針をしっかり決めておきましょう。依頼したい業務をより明確にすることで、正確な見積もりを行うことができます。また、依頼したい内容に消極的な態度を示す税理士や、経験の少ない税理士と出会う可能性もあります。相性を見極めるためにも、相談内容を明確にしておくことが大切です。

その他は税理士に確認

そのほかにも、面談の際に用意しておくべき書類や情報は多いです。ただし、それらは税理士に事前に指定されることがほとんどです。面談前に一度、必要なものについて税理士に直接確認しておくのがおすすめです。

税理士を探す方法とは?

より自分や会社に適した税理士を見つけるには、どうしたらよいのでしょうか。ここでは、税理士の探し方について紹介します。

電話やインターネットで税理士を探す

代表的な方法として、電話をかけて直接問い合わせたりインターネット上で探したりする方法があります。とくにインターネット上には無数の税理士事務所の情報があるため、自分で自由に選んで連絡を取ることができます。

 

ただし数が多いということは、自分に合った税理士と出会える確率が低くなるということでもあります。ネット上の口コミは玉石混交であることを念頭に置いて、情報を正しく選別することが大切です。

知人から税理士を紹介してもらう

信頼できる知人に紹介してもらう方法もあります。自分で探す手間が省けるほか、知人が実際に利用した「生の声」を参考にすることができます。

 

ただし、知人にはよくても、自分とは相性がよくない税理士を紹介されることもあります。そうなると、知人の顔を立てるために契約解除に踏み切れなくなるというリスクの可能性は捨てきれません。

税理士マッチングサービスを利用する

身近に心あたりがない場合などは、税理士マッチングサービスの利用がおすすめです。検索機能が秀逸で、カテゴリ別のほか、地域別でも検索できるため、「自宅近くの・企業や経営に強い税理士」を簡単に探すことができます。その際、実際の依頼人の口コミを参考にできるのもメリットです。

 

さらにマッチングサービスに登録している税理士は、それだけでインターネットに強く、レスポンスが早いという可能性が高いと判断できます。また、実際の利用者の評価が一目瞭然であることから、マッチングサービスに登録している税理士は一般の税理士よりも誠実な対応をする傾向が強いことも、マッチングサービスを利用するメリットの1つです。

起業時に税理士に依頼した過去の成功事例

税理士に相談することで、起業を成功させた事例を2つご紹介します。税理士に起業の依頼を検討しているなら、ぜひシュミレーションに役立ててください。

美容室を開業するための資金調達

こちらのケースでは、金融機関からの融資を受けるために必要な書類の作成を税理士に依頼しました。いくら起業に情熱を持っていても、実際の判断は提出した書類の数字や文言によっておこなれます。

 

これらの書類の作成時に税理士のサポートを受けることで、起業への熱意が伝わりやすい数字の算出や、文章の書き方のノウハウを学ぶことができました。結果、このケースでは必要額の満額の融資を受けることに成功しています。

建設会社の法人設立に必要な資金調達と専門家の紹介

個人事業主から建設業として法人成りをしたケースです。具体的に、税理士が行ったことは、法人成りに必要な建設業の許可の取得のサポートです。許可申請や社会保険の加入のために専門家を紹介しています。さらに金融機関の担当者とも信頼関係を築き、短い期間で必要な資金の融資を受けることに成功しています。

起業する際は税理士に依頼することを検討しよう!

起業時はなにかと不安がつきもの。実務上の負担や精神的な負担を軽減するためにも、税理士のサポートを受けることをおすすめします。

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