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法人所得と個人所得税の違いを徹底解説!減額できる5つの節税対策

似ているようで性質の異なる法人所得と個人所得。計算方法から税率まで異なるため両者の違いについて深く認識しておくことが重要です。本記事では法人所得と個人所得の違いについて具体例をあげて解説しております。法人所得が減額できる節税方法もぜひ参考にしてみてください。

公開日 : 2021/02/06

更新日 : 2021/02/06

目次

「所得税」は法人と個人では意味合いが異なる?

所得税と一言で言っても、実は法人の所得税と個人の所得税では、意味が異なります。ここでは、法人、個人それぞれの「所得」の意味するところを解説し、それぞれの所得金額の算出方法をご説明いたします。

法人の「所得」とは?

法人の所得と聞くと、「会社の利益」という風に考える方が多いかもしれません。しかし、所得と利益は少し内容が違うものです。

 

企業の利益を計算する場合、会計と税務は別なものです。

両者とも同じような意味合いですが、会計と税務では計算の目的が違うため、計算結果も異なります。

 

会社の会計上の儲けを「利益」といいます。利益の算出方法は、収益から費用を引いたものです。

 

一方、税務上の儲けを「所得」といいます。所得の算出方法は、益金から損金を引いたものです。

 

所得の算出方法はあとで説明いたしますが、まずは会計上の「利益」と税務上の「所得」が異なるものだということを理解しておきましょう。

 

個人の「所得税」とは?

ここまで、法人での所得をみてきましたが、個人での所得はどのようになるのでしょうか。

 

個人での所得とは、収入から必要経費を差し引いたものです。自営業の場合は「事業所得」、パートやアルバイトの場合は「給与所得」、株や不動産の売買などは「譲渡所得」など、職業や収入の得る方法などによって大まかに10種類に区別されています。

 

これらの10種類の所得を合計したものを「合計所得」と呼び、所得を計算する上での基本の金額です。

 

 

個人の所得税金額算出方法

合計所得が算出できたら、その金額から所得控除を差し引いて、課税される所得金額を算出します。

 

所得税は、その人の支払い能力を考慮し、納税者感の不公平をなくすための制度です。

例えば、子供が多くいる人は、養育費にお金がかかります。たとえ子供がいない人と同じ合計所得だった場合でも、税金を負担する能力が低いと考えられます。

そのため、「扶養控除」という所得控除によって、課税金額対処額を減らしてから、所得税の算出をします。

 

他にも、配偶者控除や障害者控除、医療費控除など14種類の所得控除があります。

 

 

合計所得に所得控除を行い「課税所得額」の算出が終わったら、所得税の算出に移ります。

所得税の計算式は「所得税=課税所得額×所得税率」です。

 

所得税率は、所得の金額によって変わります。例えば、所得が195万円以下の場合は5%、195万円以上330万円以下は10%と、課税所得額が多くなるほど、所得税率は増えていきます。

 

所得税率にはそれぞれ「税額控除」が決められています。例えば195万円以上330万円以下の場合、税額控除額は97,500円です。

 

課税所得額に所得税率をかけて計算し、最後に税額控除額を差し引けば、個人の所得税が求められます。

法人の課税所得にかかる税金

法人と個人の所得税に関する説明をしました。しかし、法人には所得税以外にも様々な税金がかかります。ここでは、法人にかかってくる法人税などについて解説します。

法人税の計算方法と納付期限

法人税とは、「事業によって得た収益に課税される税」です。所得税とは税金の計算方法が大きく異なります。所得税は、所得が大きければ大きいほど税率が高くなるのに対し、法人税は所得の金額の大きさに影響されません。法人税での税率は、法人の規模や種類によって変わります。

 

法人税を求める式は、「法人税=課税所得×法人税率-控除額」です。

 

ここでの所得も、純粋な利益ではなく、事業のために費やした必要経費や損金を除いた金額です。

 

法人税率は、資本金の大きさなどで税率が変わってきます。例えば、資本金が1億円以下の企業の場合、年間の課税所得が800万円以下の場合は法人税率は15%、800万円を超える場合は23.20%です。

 

法人税は、決算日から2ヶ月以内に申告・納付をする必要があります。期限を過ぎると、重加算税や延滞税などのペナルティを受ける可能性があるので、気をつけましょう。

地方法人税の計算方法と納付期限

地方法人税も、会社が事業によって得た利益に課税される税金です。名前に「地方」という文言が入っていますが、地方税ではなく国税です。

地方法人税の求め方は、「法人税額×税率(10.3%)」です。前述した法人税の金額に税率をかければいいだけなので、法人税さえ求めることができれば簡単です。

 

地方法人税の納付期限も、法人税と同じく決算日から2ヶ月以内です。管轄の税務署に確定申告書を提出し、納付します。

法人住民税の計算方法と納付期限

住民税というと、個人が払う税金というイメージがありますが、法人も個人と同じく、地域社会から恩恵を受けているため、法人住民税を支払う必要があります。

 

法人住民税の算出方法は、2つに分かれています。1つが「法人税割」というもので、法人税額を基に算出します。もう1つが「均等割」というもので、従業員数や資本金の金額を基に計算する方法です。

 

 

法人税割の計算方法は、「法人税割=法人税額×法人税割税率」で求められます。法人税割税率は、各地方公共団体で自由に税率を決められますが、標準税率という税率の目安にするものが国によって決められています。

 

均等割は資本金と従業員数をもとに定められています。例えば資本金が1,000万円以下、従業員数が50人以下の場合は70,000円、という風に定められています。

 

これら2つの金額が、法人住民税として法人に課される税金です。

法人事業税の計算方法と納付期限

法人事業税とは、法人が利用している道路や港湾、公共サービスや公共施設の経費の一部を負担するための税金です。

 

法人事業税の計算式は、「法人事業税=所得×法人事業税率」です。

法人事業税率は、各都道府県によって異なります。そのため、事業を開始する前に事前に確認してくべき事項です。

 

 

法人事業税の納付期限も、決算日から2ヶ月以内となっていますので、期限内にしっかりと納付しましょう。

法人税と所得税どっちがおトク?

法人税と所得税では、税率などが変わってきます。個人事業主から法人になることを考えた場合、所得税を支払うのと法人税を支払うのでは、どちらの方が得になるのでしょうか。

 

 

ここでは、法人税と所得税の違いについて解説していきます。

法人税率と所得税率を比較

前述したように、所得税は所得の金額が大きくなるほど税率が大きくなる累進税率です。一方、法人税は資本金などで多少変わりますが、どれだけ多くの所得であってもそれによって税率が変わることはない一定税率です。

 

 

そのため、所得額が低い場合は個人事業主で、多い場合は法人となった方が、税金面ではお得です。

税引き前当期純利益が1,000万円の場合

例えば、事業所得が1,000万円だった場合、所得税と法人税ではどのくらい支払う金額は変わるのでしょうか。

 

所得税の場合、課税所得が1,000万円だった場合、税率は33%、税額控除は153万6000円です。

これを計算すると、1,000万円×33%-153万6000円となり、所得税は176万4000円です。

一方法人税の場合はどうなるでしょうか、法人税に法人事業税と法人住民税を加えた実効税率を30%として計算すると1,000万円×30%=300万円です。

 

このため、所得額が1,000万円だった場合は、個人事業主として所得税を支払った方が得であるということです。

節税を行えば法人税は減らせる

所得が1,000万円の場合、所得税の方が得になることがわかりました。

しかし、節税を行うことによって法人税を減らすことができます。

ここでは法人税の節税方法について説明します。

法人税を減らす方法とは

法人税を減らす方法には、「益金を減らして課税対象の所得額を減らす」「損金を多くして所得額を減らす」という方法があります。

 

前者の方は、会社の利益が減ってしまうので難しい方法ですが、後者の方法は工夫次第で実施できます。

 

次の項目では、具体的にどのように損金を多くするのか、ご説明いたします。

法人所得を減額する節税方法

ここでは、法人所得の減額方法を解説します。

「1、役員報酬を増やす」

法人では、給料が経費となるため、役員報酬を増やすことで経費を増やし、法人所得が減るために節税できます。

 

しかし、役員報酬は期首から3ヶ月以内に決めなければいけません。法律の上では、役員報酬は社長が勝手に決めることはできません。役員報酬を決めるためには、「株主総会」で役員報酬の総額を決め、役員ごとの内訳は「取締役会」で決めるように一任します。その後、「取締役会」で総額の範囲内で各役員の報酬金額を決定します。

 

それぞれの会議は議事録を残しておく必要があるので、注意しましょう。

「2、事務所家賃等を家事按分」

自宅の一部を事業の事務所として活用している場合もあるでしょう。その場合、支払っている家賃を、家事按分して経費計上することができます。

 

その場合、法人は地代家賃として経費に算入できますが、自宅を貸している人(社長など)はその家賃代を受け取るので、不動産所得を得ます。

その場合、不動産所得は個人の所得税を支払う場合には、所得税がかかりますので注意が必要です。

「3、従業員への決算賞与」

従業員への賞与も経費として認められます。そのため、決算の準備をしている際に、利益が想像以上に出てしまっている場合、節税対策として利益を従業員に還元することがあります。

 

従業員のモチベーションを上げつつ、節税対策も行うことができる手法です。

「4、交際費・会議費・福利厚生の区別」

交際費も経費に算入することができます。資本金が1億円以下の中小企業の場合、年間800万円までが、交際費として認められます。上限を超えてしまわないように注意しましょう。

「5、共済制度の活用」

共済制度とは、職業など一定の共通点を持つ人々が掛け金を出し合い、病気などの場合に共済金を受け取れる制度です。

 

共済に加入して掛金を支払うことで、確定申告の際にその全額を課税対象所得から控除することができます。このため、共済制度には高い節税効果があります。

法人の所得を深く理解し正しい節税対策を行いましょう

法人税は様々な節税方法があります。法人税を正しく理解し、大きな節税効果が得られるようにしましょう。

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