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不動産投資で節税?法人で不動産購入するメリットや減価償却も解説

法人での不動産投資で節税をしようと考える方は少なくないのではないでしょうか。法人での不動産投資には節税効果がある場合もありますが、注意すべきポイントもあります。ここでは不動産投資で節税できるのかや法人化のメリット、不動産投資での節税の注意点も詳しく解説します。

公開日 : 2021/01/29

更新日 : 2021/01/29

目次

不動産投資での節税についてよくある事例をチェック!

不動産投資が節税になるという話は、聞いたことがあるかもしれません。不動産投資で節税とはどんな仕組みなのでしょうか。事例で解説します。

節税のために不動産投資を検討しているAさん

Aさんは、外資系企業に勤める38歳の独身男性。年収が1200万円あります。不動産投資で節税しているという同僚の話を聞き、興味を持っています。Aさんが不動産投資をすると、どれぐらい節税できるでしょうか?

 

不動産投資をしない場合

課税所得 850万円
所得税 131.9万円

※所得税の計算式:850万円×税率23%-636,000円=131.9万円

Aさんが不動産投資で100万円の損失(赤字)を出した場合

課税所得 750万円
所得税 108.9万円

※所得税の計算式:750万円×税率23%-636,000円=108.9万円

このように所得税が23万円少なくなる計算です。

 

不動産投資で出た赤字を給与所得から差し引いて課税所得を計算します。これを損益通算と言います。そのため、不動産投資は節税に効果があると言われます。

 

「節税をしたいから不動産投資」はOK?

不動産投資で節税になるならやってみようかな、と思う方がいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。気をつけないと、節税効果以上に赤字が大きくなったり、持ち出しが大きくなりすぎて不動産経営が立ち行かなくなってしまいます。

節税のためだけに不動産投資は注意が必要

不動産投資を節税目的で考えると、赤字が大きい方が良いと思ってしまうかもしれません。しかし、まったく利益が出ない投資だとしたらどうでしょうか?節税効果以上にお金が出て行ってしまうことになりかねません。

 

節税対策のためだけに不動産投資を行うのは危険です。むしろ「不動産投資で利益が出たら、一定の税金を納めるのは必要経費だ」というぐらいの認識をもっておく必要があります。その上で、できる限り納税額を抑えられる方法を検討します。

 

不動産投資に限らず、他にも有効な節税方法はありますので、税理士などの専門家に相談するのも良いですね。

不動産投資で節税できる?

不動産投資で本当に節税できるのでしょうか。不動産投資での節税の仕組みを、税金の種類ごとに解説していきます。

相続税における節税

相続税対策として、不動産を購入する方法があります。不動産の相続税評価額は、実際の取引価格(実勢価格)の8割程度の額になるように決定されているため、1億円の現金を相続するよりも、1億円の不動産を相続する方が、相続税を少なくすることができます。

 

また、不動産投資のための法人を設立し、法人が投資を行い、配偶者や子どもを法人の役員にすることで、贈与税や相続税を節税する方法もあります。

法人化した場合

個人事業主が支払う所得税の最高税率が45%、法人税の最高税率が23.20%(いずれも令和2年4月1日現在)ですので、収入が多い場合は、法人化により節税効果が得られます。一方で、法人設立には費用と労力がかるため、不動産投資の規模や、将来的な計画により、どちらがよりメリットがあるか検討します。法人設立の際には、税理士をはじめとした専門家からアドバイスを受けながら進めることをお勧めします

不動産投資に欠かせない減価償却とは?

不動産投資で節税を考えるときに、減価償却は欠かせません。減価償却について理解することが不動産投資での節税に成功するカギです。

減価償却とは

減価償却とは長期間にわたって使用される固定資産の取得に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたって費用配分する手続きです。購入したその年に全額を費用として計上するのではなく、使用できる期間に応じて分割しながら費用を計上しようというものです。

土地は減価償却の対象外

減価償却できるのはあくまで価値が減っていくものだけなので、不動産において減価償却できるのは建物であり、土地は減価償却できません。仮に1,000万円の物件を購入したとして、土地が500万円、建物が500万円であれば、減価償却できるのは建物の500万円になります。

法定耐用年数

資産が使用できる年数のことを「耐用年数」といい、減価償却費が計上できる期間は法定耐用年数で決まっています。それぞれが勝手に耐用年数を変えることができると納税額に影響してしまうため、「資産の種類」「構造」「用途」別に法律で決められているのです。

 

例えば木造住宅は22年、木骨モルタル造住宅は20年、鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造住宅は47年などです。

中古の場合は「残存耐用年数」

中古物件を購入した場合、すでに何年か償却期間が過ぎているため、新築と同じ耐用年数は使用できません。中古物件の耐用年数は次のような計算式で導かれます。

残存耐用年数 = ( 法定耐用年数 – 経過年数 ) + 経過年数 × 20%

 また、すでに法定耐用年数が過ぎている物件の場合は次のような計算式になります。

残存耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%

 例えば築25年の木造住宅を購入した場合は次のようになります。

残存耐用年数=法定耐用年数22年×20%=4年

節税だけじゃない不動産投資のメリット

不動産投資のメリットは、節税対策ができることだけではありません。実は不動産投資はとてもメリットの多い投資なのです。不動産投資のメリットについて解説していきます。

不動産投資における収益の2つの柱

不動産投資における収益には、家賃収入不動産の売却益の2つがあります。

 

不動産投資が年金代わりになると言われるのは、家賃収入のことを指しています。入居者さえいれば毎月決まった家賃収入があるのは嬉しいですね。また、立地やタイミングによっては購入時より高く売れる場合もあり、それが売却益です。

 

不動産を購入するときに何年持ち続けてどのタイミングで売却するかという出口戦略まで考えておくとかなりリスクが低減されます。また、購入してから譲渡(売却)するまでの期間により、売却益にかかる税率が変わります。

 

そういったことも税理士などの専門家に相談しておくと安心です。

不動産投資のメリット

不動産投資は、しっかりした知識をもとに始めるなら、メリットの多い投資です。節税や相続対策になること以外でも以下のようなメリットがあげられます。

・本業以外の副収入が得られる

・管理を外注するとほとんど手間がかからない

・家賃収入が年金代わりになる

・銀行から借入することでレバレッジを利かせることができる

・団体信用生命保険(団信)に加入することで、生命保険代わりになる

不動産投資で節税する際に注意すべきポイントとは?

不動産投資で節税できるとはいえ、ただやみくもに始めるのは危険です。不動産投資で節税する際に注意すべきポイントを解説していきます。

「節税のためだけに不動産投資」は危険

不動産投資では、節税はメリットの一つですが、節税のためだけに赤字経営の不動産投資を続けるのは危険です。

不動産投資には、建物の老朽化や修繕、空室、不動産価格の低下、ローン金利の上昇などのリスクがあり、築年数の浅いうちから赤字が大きく出るような投資は、築年数が経過するにつれ修繕費がかさんだり、空室が増えたりと、苦労が多くなります。

不動産投資も投資ですから、利益を出すことを目指した上で、できる限り納税額を抑えられる方法を、税理士などの専門家に相談しつつ取り入れるという方針が大切です。

不動産投資以外の節税も比較検討する

節税の方法は、不動産投資だけではありません、個人型確定拠出年金(iDeCo)の活用や、生命保険料控除医療費控除扶養する親族の構成を検討するなど、他にも節税できる方法はあります。他の節税方法と不動産投資を比較して検討することが効果的です。

融資を受ける金融機関からのイメージも考慮する

節税効果を高めるために、不動産投資の収支を赤字で計上した場合、金融機関からは、「不動産経営がうまくいっていない」と見られてしまうケースがあります。そうなると、良い物件を見つけても銀行から融資がつかなくて、購入することができないという機会損失のリスクがあります。

赤字経営の合理的な理由を説明できるようにしておくことや、将来的にはある程度の黒字を出せる状況に変えていくことが大切です。

税制についてしっかり理解する

所得税や法人税、相続税などの税制は、折に触れて改正が行われ、毎年12月頃には、政府や与党が翌年度以降の税の仕組みをどう変えていくかをまとめた「税制改正大綱」を発表しています。

 

税制について理解を深めることが大切ですが、本業が忙しくて時間がないという方は、税理士などの専門家をアドバイザーにつけておくと安心です。

事業計画をきちんと立てた上で不動産投資をする

不動産投資は、どの物件をいつのタイミングでいくらで購入するか、という入り口から、家賃収入を得て、最後に売却するのか子孫に残すのか、といった出口までの戦略を考えて行うことが重要です。

建物は時間が経てば老朽化し修繕が必要になり、入居希望者のニーズに合わせてリフォームを行ったり、入居条件も変えたりすることになるため、数年先の目先のことだけではなく、長期的な事業計画を立てることが大切です。

不動産投資で節税をする落とし穴とは?

不動産投資で節税をする上で、リスクについてもよく知っておく必要があります。節税目的で不動産投資する人が陥りがちな落とし穴について解説します。

融資が受けにくくなる

不動産投資は銀行から資金を融資してもらえる数少ない投資の一つです。不動産の新築や購入のために、銀行融資を検討している人も多いでしょう。

 

しかし、赤字経営が続いていると、物件を維持するための定期的な修繕や固定資産税の支払いなど、資金が必要な時に困ります。追加で銀行融資を受けたくても、審査が厳しく、融資を受けられない事態に陥ります。

 

資金不足で修繕できずに老朽化した物件には入居者が入らず、ますます赤字が膨らんでいく、という悪循環になりかねません。また、他に良い物件があったとしても、購入することができず、チャンスを逃してしまいます。

賃貸需要をしっかり調査する

節税を意識しすぎて、調査不足のまま物件を建ててしまうと、なかなか空室が埋められない事態が発生します。入居者のいない物件でもローンの支払いはまったなしで、コストばかりがかさんで大変な思いをする可能性があります。

そんな思いをしないために、事前に周辺の賃貸需要を調査することは大切です。直接物件を見に行って周辺の空室状況や近隣に学校や会社等があるかを調べたり、それができない場合でも賃貸物件のサイトを検索し、そのエリアの家賃相場を調べて想定家賃が適正かどうか調べておくことは重要です。

ローン返済ができず差し押さえのリスクも

物件の立地や間取りが入居者のニーズに合わないと、新築や築浅の物件でも空室が出てしまうことがあります。そのような物件は、築年数が古くなるにつれますます入居者が入りにくくなり、経営状態が悪化します。資金繰りが苦しくなり、ローン返済ができなくなると、最終的には物件を差し押さえられるリスクがあります。

不動産での相続の節税はトラブルになる可能性も

不動産の相続税評価額は、実際の取引価格(実勢価格)の8割程度の額になるように決定されているため、資産を不動産に変えて相続させることで、節税効果を得ることができます。

 

一方で、現金と違って不動産は簡単に分けることができないため、相続者が複数人いる場合はトラブルのもとになることがあります。

不動産投資において法人化するメリットとは?

不動産投資において法人化することは、数々のメリットがあります。具体的にどんなメリットがあるのか、解説していきます。

所得税率と法人税率の違い

個人事業主は所得税、法人は法人税を支払います。どちらも利益が増えると税率が上がる仕組みになっていますが、所得が多い時には法人を設立した方が、税率が低く抑えられます。

 

個人事業主が支払う所得税の最高税率が45%、法人税の最高税率が23.20%(いずれも令和2年4月1日現在)と大きな差があります。目安としては年収が2000万円を超えたら法人を設立すると考えておくと、節税効果が高まります。

不動産で得た利益を給与所得にできる

法人の場合、利益を給与として従業員に支払うことができます。会社としては、従業員の給与も経費となるので、利益を圧縮することができます。

また、給与には「給与所得控除」があるため、さらに節税効果が高まります。

損失の繰越し期間が法人の方が長い

赤字経営の場合、損失を繰り越すことができます。個人の場合、青色申告することで3年間繰り越すことができます。それに対して、法人の場合は10年間繰り越すことができます。長期間の不動産投資において、繰り越せる期間が長いのは、法人のメリットの一つです。

退職金を損金として計上できる

個人事業主には退職金制度はありませんが、法人では退職金制度を設けることができます。退職金は全額を損金として計上することができるため、利益が圧縮され税金を抑えることができます。

また、退職金は、他の所得とは別に課税される分離課税となり、控除額も大きいなど、受け取る側にとってもメリットがあります。

不動産投資による節税に税理士は必要か?

不動産投資による節税を行う時に税理士を頼むべきなのか、そもそも税理士って何をするのか、疑問を持つ方がいるかもしれません。税理士がどんなことをしてくれるのか解説していきます。

確定申告だけではなく税金対策や税務相談も

不動産投資で得た収入は「不動産所得」となり、課税の対象となります。

 

個人で投資している場合でも確定申告が必要ですが、不動産投資には、物件の購入から、リフォーム費用、家賃収入、修繕費、物件の売却まで、金銭の出入りが複雑なため、素人では分かりにくいことがいろいろあります。また、税法はたびたび改定されるため、自分で情報を追い続けるのは難しいこともあります。

 

税理士に業務を依頼すれば、確定申告の代行だけでなく、税金対策や税務相談に乗ってもらうこともでき、自分の時間を他のことに、もっと有効に使うことができます。

不動産投資に強い税理士も

税理士にも専門分野や得意分野があることをご存知ですか。不動産経営において税理士に業務をお願いするならば、不動産投資の分野に強い税理士に頼みたいですよね。税理士の中には不動産投資を専門の人もいるので、そういう人を探してみるのもおすすめです。

不動産投資における税理士の役割とは?

不動産投資における税理士の役割とはどんなことでしょう。具体的に解説していきます。

確定申告の代行

確定申告するためには、まず、家賃収入や売却益など不動産投資から得た収益と、その収益を得るためにかかった費用(経費)をはっきりさせる必要があります。それにより課税所得が算出され、税金額が決定します。

 

この時、計上できる費用とできない費用の見極めや、計上漏れはないか、申告内容は正しいかなど、一人では迷ったり不安なことがあります。税理士に依頼することにより、適切なアドバイスを受けながら行えば、損のない適切な確定申告ができます。

節税対策のアドバイス

節税対策とは、適切な方法で、できるだけ税金を少なくするための対策です。不動産投資は、しっかり対策すれば節税効果が高い投資ですが、さまざまな税金が関わるだけに、複雑です。税理士がいれば、正しい手続きの方法についてアドバイスをもらえたり、サポートを受けることができます。

不動産経営に関するコンサルティング

税理士の中には、税務面・経理面での実務的な業務サポートだけでなく、不動産経営に関するコンサルティングを行っている人もいます。

 

所有物件や購入しようとしている物件に対するキャッシュフローシミュレーション、法人化のタイミング、資金調達、保険など、さまざまな面からアドバイスすることにより、健全な不動産経営をサポートしています。中には、税理士自らが実際に不動産投資を行っているという人もいます。

 

税務の知識と、不動産経営の実績両面からサポートを受けられるのは、心強いですね。

不動産投資による節税の事例紹介

不動産投資による節税の具体的な事例を紹介します。

不動産投資による所得税の節税事例

外資系企業に勤めるAさんが不動産投資をした場合としない場合の節税効果についてシミュレーションしてみます。

不動産投資をしない場合

給与収入1200万円

所得税128.9万円

復興特別所得税 27,069円

給与収入 1200万円
給与所得控除 195万円
給与所得金額 1005万円
   
社会保険料控除 120万円
基礎控除  48万円
所得控除合計額 168万円
課税所得 837万円
   
所得税 128.9万円
復興特別所得税 27069円

Aさんが不動産投資で100万円の損失(赤字)を出した場合

給与収入1200万円

不動産所得 △100万円

所得税105.9万円

復興特別所得税 22,239円

給与収入 1200万円
給与所得控除 195万円
給与所得金額 1005万円
不動産所得 △100万円
   
社会保険料控除 120万円
基礎控除  48万円
所得控除合計額 168万円
課税所得 737万円
   
所得税 105.9万円
復興特別所得税 22239円

Aさんは不動産投資により、所得税と復興特別所得税を合わせて234,830円の節税ができます。

不動産の減価償却による節税事例

物件(木造 築25年)

物件価格 5,000万円(土地:1,000万円、建物4,000万円)

満室想定家賃 500万円 表面利回り 10% 

(計算を簡単にするために、諸経費や、借り入れはなく、満室経営、全額自己資金で投資とします)

 

では、この物件では、どれくらいの減価償却費が得られるのでしょうか。

 

耐用年数を超えた木造の建物の償却年数は4年ですから、1年あたりの減価償却費は1,000万円となります。

 

1年あたりの減価償却費=建物:4,000万円÷4年=1,000万円

家賃収入500万円から減価償却費を差し引くと、1年目の本物件の課税所得(損金)は以下のようになります。

1年目の収益不動産の課税所得(損金)

NOI:500万円--減価償却費:1,000万円=△500万円

以上の計算の結果、この物件を所有すると1年目に500万円の損金を計上できることがわかりました。

 

 

 

不動産での節税は法人化した方が良い場合も!

不動産投資は金額が大きく、節税効果の高い投資です。また、投資が軌道に乗り、利益が大きくなってきたら、法人設立のタイミングかもしれません。そんな時には、不動産投資に強い税理士に相談してみるのがおすすめです。

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